学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0556

理由で解く 解剖学

Q0556 神経系

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題29
問題
感覚の伝導路を構成するのはどれか。
選択肢
1 大脳脚
2 中小脳脚
3 内側毛帯
4 延髄錐体
解答
正解3(内側毛帯)
解説
✗ 1. 誤り
大脳脚
大脳脚は中脳腹側部にあり、大脳皮質から下行する錐体路(皮質脊髄路・皮質核路)・皮質橋路など遠心性の投射線維の束である。下行性の運動系伝導路であり、感覚(求心性)の伝導路ではない。
✗ 2. 誤り
中小脳脚
中小脳脚は橋と小脳を結ぶ最大の小脳脚で、橋核から対側の小脳半球皮質へ向かう橋小脳線維を含む。大脳皮質運動野からの情報を橋核経由で小脳へ伝える運動関連の線維路で、一般感覚の大脳皮質への伝導路ではない。
✓ 3. 正しい
内側毛帯
内側毛帯は後索-内側毛帯路(識別性触覚・位置覚・振動覚など深部感覚)を構成する感覚性の上行線維束である。脊髄後索(薄束・楔状束)を上行した一次ニューロン軸索が延髄下部の後索核(薄束核・楔状束核)に終わり、二次ニューロンが延髄内で正中を越えて交叉(内側毛帯交叉)してから内側毛帯として延髄・橋・中脳被蓋を上行し、視床の後外側腹側核(VPL)に達する。視床で三次ニューロンに乗り換え、視床皮質路を通って大脳皮質体性感覚野へ投射する。感覚情報を大脳に伝える主要な上行路の一つである。
✗ 4. 誤り
延髄錐体
延髄錐体は延髄腹側面の縦長の隆起で、内部に錐体路(皮質脊髄路)線維を含む。下端で錐体交叉を生じる下行性運動路であり、感覚の上行路ではない。
ポイント
  • 内側毛帯は識別性触覚・深部感覚を伝える後索-内側毛帯路の脳幹部分で、延髄の後索核で交叉後に視床へ上行する。
  • 覚え方のコツ: 「後索→後索核→毛帯交叉→内側毛帯→視床VPL→皮質」の6ステップで記憶。運動は「内・脚・橋・錐・叉」と対比して覚える。
  • 関連知識: 同じ体性感覚でも痛温覚は外側脊髄視床路を通り、脊髄分節内で交叉して対側側索を上行、視床VPLで中継される。深部感覚と痛温覚は交叉部位が異なる。
  • よくある間違い: 「延髄を通るから錐体路」と早合点する誤り。延髄腹側の錐体=錐体路(運動)、延髄背側の後索核から続く内側毛帯=深部感覚、と位置で区別する。
  • 臨床応用: 内側毛帯障害(延髄背側梗塞など)で対側の識別性触覚・位置覚・振動覚が障害される。脊髄後索障害(亜急性連合性脊髄変性症・タベス)でも同様の深部感覚障害+ロンベルグ徴候を生じる。
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題29|感覚の伝導路を構成するのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題29|感覚の伝導路を構成するのはどれか。
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