
この図の解説
図は皮膚の最表層である表皮の断面を、深部から表層へ拡大したものである。まず注目したいのは左側に並ぶ層の名前で、深部の真皮に接する側から順に、基底層・有棘層・顆粒層・淡明層・角質層の5層が積み重なる。これは角化した重層扁平上皮の姿であり、この五層構造こそ表皮の最重要ポイントである。細胞の約90%はケラチン産生細胞(ケラチノサイト)で、最深部の基底層で分裂して生まれた細胞が上へ押し上げられ、上行するにつれて細胞内にケラチンが蓄積していく(角化)。図の右上で「ケラチンが充満し死んだ細胞」と示されるように、最表層の角質層では細胞は死んで扁平化し、内部をケラチンで満たして身体を乾燥から守る。約4週間で表層から垢として剝離する。基底層には星形のメラノサイト(メラニン産生細胞)と、感覚神経(Aβ)に接するメルケル細胞が描かれている点も確認したい。
学習の要点
- 表皮は深部から角質層まで、基底層・有棘層・顆粒層・淡明層・角質層の5層からなる角化重層扁平上皮である。
- 覚え方のコツ: 深→浅で「き(基底)・ゆう(有棘)・か(顆粒)・たん(淡明)・かく(角質)」。基底層+有棘層をまとめて胚芽層と呼ぶ。
- 関連知識: 主役のケラチノサイトは表皮細胞の約9割を占め、上行しながらケラチンを蓄えて角化する。約4週間で垢として脱落する。
- よくある間違い: メラノサイトは表層ではなく最深部の基底層にある。数は人種で変わらず、黒色人種で多いのはメラニン顆粒の産生量である。
- 臨床応用: 手掌・足底・肘膝など外力を受ける部位では角質層が厚くなる。限局性に増殖・肥厚したものがタコ(胼胝)や魚の目(鶏眼)である。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
表皮の最深部で細胞分裂により生じた上皮細胞は、上行しながら細胞内に( )というタンパク質を蓄積して硬くなる。この現象を角化という。
答えを見る
答え: ケラチン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。