学習トップ / 理由で解く 生理学 / 第2章 ▸ B. 止血 / Q0121
理由で解く 生理学
出血した血液が固まって止血が完成するまでの流れ(凝固によるフィブリン網の形成=血餅の形成 → 血餅の退縮)を問う設問です。赤血球などをからめ取る網をつくるのは可溶性のフィブリノゲンではなく、変換後の不溶性フィブリンです。また退縮した血餅から押し出されてくる液体は、凝固でフィブリノゲンなどが使われた後の「血清」であって血漿ではありません。なお本問は複数正答の措置がとられ、2と4のどちらを選んでも正解とされました。
止血は、破損した血管の収縮 → 血小板の付着凝集による破損部の被覆 → 凝固作用によるフィブリン網(線維素網)の形成、という順で進んで完成します。凝固の最終段階では、プロトロンビンからトロンビンがつくられ、そのトロンビンが可溶性のフィブリノゲン(線維素原)を不溶性のフィブリン(線維素)に変えます。できあがったフィブリンの網目が赤血球などの血球をからめ取り、ゼリー状のかたまり(血餅)となるため、血液は流動性を失います。さらに、血餅の中に取り込まれた血小板が収縮することで網目全体が縮み、中の液体が絞り出されます。これが血餅の退縮で、血小板は「付着・凝集」と「退縮」の二度はたらくことになります。絞り出された液体はフィブリノゲンなどの凝固因子が使われた後のものなので血漿ではなく血清であり、「血漿からフィブリノゲンなどの凝固因子が抜けたものが血清」という関係をおさえると、選択肢2と4の誤りが同時に見抜けます。
| 用語 | 状態・正体 | 出血時の役割 |
|---|---|---|
| フィブリノゲン(線維素原) | 血漿に溶けている可溶性の前駆物質 | トロンビンによってフィブリンに変換される前段階の物質 |
| フィブリン(線維素) | 不溶性の線維。網目(線維素網)をつくる | 血球を捕捉して血餅をつくり、流動性を失わせる |
| 血小板 | 血液の有形成分の一つ。収縮する力をもつ | 破損部に付着・凝集して被覆し、血餅の中で収縮して退縮を起こす |
| 血漿 | 血液から血球を除いた液体。フィブリノゲンを含む | 凝固前の液性成分 |
| 血清 | 血漿からフィブリノゲンなど凝固に使われた成分が抜けた液体 | 血餅の退縮にともなって滲み出す液体 |

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