学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ F. 大脳 / Q0527

理由で解く 解剖学

Q0527 神経系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題29
問題
ヒトの脳で最も表面積が大きいのはどれか。
選択肢
1 側頭葉
2 前頭葉
3 頭頂葉
4 後頭葉
解答
正解2(前頭葉)
解説
✗ 1. 誤り
側頭葉
側頭葉は大脳外側面の下部を占め、一次聴覚野・ウェルニッケ言語野・嗅覚野・海馬などを含むが、表面積は全体の約20%程度で前頭葉には及ばない。
✓ 2. 正しい
前頭葉
前頭葉は中心溝より前方、外側溝より上方に広がる脳葉で、大脳半球の最大面積(約40%)を占める。前部には思考・判断・意思決定を担う前頭前野(前頭前皮質)が広がり、中心前回には一次運動野、その前方には運動前野・補足運動野、外側下部にはブローカ運動性言語野がある。ヒトではこの前頭前野が他の動物に比べ著明に発達しており、理性・抑制・ワーキングメモリなどヒトを特徴づける高次精神活動を担う。大脳皮質は多数の溝と回で表面積を稼いでおり、左右半球合計で約2,200cm²(新聞紙1面大)となる。
✗ 3. 誤り
頭頂葉
頭頂葉は中心溝と頭頂後頭溝の間の脳葉で、体性感覚野・味覚野・頭頂連合野を含む。全体の約20%で、前頭葉より小さい。
✗ 4. 誤り
後頭葉
後頭葉は頭頂後頭溝より後方、視覚野を中心とする脳葉で、4葉の中でも最小クラス(約20%)。前頭葉と比べると面積は大きく劣る。
ポイント
  • 大脳4葉の面積比は約「前頭40:頭頂20:側頭20:後頭20」。前頭葉が最大でヒトの高次精神機能の座となる前頭前野が広い。
  • 覚え方のコツ: 「前頭 約4割、他は2割ずつ」と割合で記憶。大脳皮質の総表面積は左右合わせて約2,200cm²(新聞紙1面大)、神経細胞は約140億個。
  • 関連知識: 大脳の重さは全体で約1,200〜1,400g、脳全体の80%を占める。皮質厚は数mm、6層構造の新皮質が約90%を占める。
  • よくある間違い: 「高次機能=側頭葉・頭頂葉」と思い込み前頭葉の大きさを過小評価する/4葉が均等と勘違いする、が典型ミス。
  • 臨床応用: 前頭側頭型認知症(ピック病)では前頭葉・側頭葉前部の限局性萎縮により、人格変化・脱抑制・常同行動が前景に立つ。前頭葉障害で特徴的な症状である。
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題29|ヒトの脳で最も表面積が大きいのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題29|ヒトの脳で最も表面積が大きいのはどれか。
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