学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ F. 大脳 / Q0528

理由で解く 解剖学

Q0528 神経系

出典:あマ指 第20回(2012) 問題31
問題
左右の大脳半球を結ぶ線維群はどれか。
選択肢
1 大脳脚
2 内包
3 脳弓
4 脳梁
解答
正解4(脳梁)
解説
✗ 1. 誤り
大脳脚
大脳脚は中脳腹側の左右に一対存在する白質隆起で、錐体路など下行性投射線維の通路である。左右半球を結ぶ交連線維ではなく、大脳と下位中枢を連絡する投射線維が通る。
✗ 2. 誤り
内包
内包は視床・尾状核・レンズ核の間に挟まれたV字状の白質で、運動野からの錐体路(下行)と視床からの感覚投射(上行)を含む投射線維の束である。左右を結ぶ線維ではない。
✗ 3. 誤り
脳弓
脳弓は海馬から出て乳頭体に至る白質線維で、Papez回路の一部として記憶に関わる連絡線維である。脳梁の下を弓状に走るが左右半球を結ぶ交連線維ではない(ごく一部の海馬交連線維は含むが、脳弓の本体は連合・投射的連絡)。
✓ 4. 正しい
脳梁
脳梁は大脳半球の中心部を横走する最大の交連線維束で、左右の半球を広く連絡する。大脳正中部の深い溝(大脳縦裂)の底に位置し、前方から嘴部・膝部・幹部・膨大部の4部に区別される。嘴部・膝部は前頭葉、幹部は頭頂葉・側頭葉、膨大部は後頭葉と一部側頭葉の線維を渡し、各領域の皮質が正確な部位対応を持って連絡される。脳梁の発達はヒトで著明で、左右半球の情報統合を保障し、優位半球(言語)と非優位半球(空間認知など)の協調を可能にする。
ポイント
  • 脳梁は左右の大脳半球を結ぶ最大の交連線維束で、前から嘴部・膝部・幹部・膨大部の4部に分けられる。
  • 覚え方のコツ: 脳梁の4部=「嘴・膝・幹・膨」(前→後の順)。嘴は最前、膨大は最後。大脳脚・内包・脳弓は「投射・投射・記憶連絡」と覚えて区別。
  • 関連知識: 他の交連線維=前交連(左右側頭葉下面を連絡)、海馬交連(左右の海馬・脳弓を結ぶ)。いずれも脳梁より細く目立たない。
  • よくある間違い: 内包を「左右連絡」と誤る/脳弓を交連線維と誤る/脳梁を投射線維と誤る、が鉄板ミス。脳梁=交連、内包=投射、脳弓=記憶の連絡と3点で整理。
  • 臨床応用: 脳梁離断症候群(分離脳)では、左右半球の情報交換ができず、左視野の物体を言語化できない・左手の書字ができないなど特異な症状を呈する。
比較表
白質線維束 分類 主な機能
脳梁 交連線維(最大) 左右半球の広範な連絡
前交連 交連線維 左右側頭葉下面の連絡
海馬交連 交連線維 左右海馬の連絡
内包 投射線維 皮質⇔視床・脊髄(錐体路など)
大脳脚 投射線維 皮質⇔脳幹・小脳・脊髄
脳弓 連合系(記憶回路) 海馬→乳頭体(Papez回路)
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題31|左右の大脳半球を結ぶ線維群はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題31|左右の大脳半球を結ぶ線維群はどれか。
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