学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ F. 大脳 / Q0529

理由で解く 解剖学

Q0529 神経系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題29
問題
側頭葉にみられるのはどれか。
選択肢
1 運動野
2 視覚野
3 体性感覚野
4 聴覚野
解答
正解4(聴覚野)
解説
✗ 1. 誤り
運動野
一次運動野は前頭葉の中心前回(ブロードマン4野)にあり、側頭葉ではない。中心溝の前方に帯状に位置し、骨格筋の随意運動を指令する。
✗ 2. 誤り
視覚野
一次視覚野は後頭葉内側面の鳥距溝(距状溝)周囲の有線領(17野)にあり、側頭葉ではない。網膜→視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視放線という経路の最終中継点である。
✗ 3. 誤り
体性感覚野
一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回(3・1・2野)にあり、側頭葉ではない。中心溝を挟んで中心前回(運動野)と向かい合い、温痛触・深部感覚の最終中継点となる。
✓ 4. 正しい
聴覚野
聴覚野は側頭葉上面の横側頭回(ヘシュル回、ブロードマン41・42野)にあり、外側溝を広げて奥を見るとよく観察できる。内耳のコルチ器から蝸牛神経→蝸牛神経核→上オリーブ核→外側毛帯→下丘→視床の内側膝状体→聴放線を経て到達する。その周囲の上側頭回(22野)には二次聴覚野・ウェルニッケ野が広がる。側頭葉にはほかにウェルニッケ感覚性言語野・嗅覚野・海馬(記憶)など多様な機能領野が集まり、側頭葉は感覚と記憶の統合拠点として重要である。
ポイント
  • 側頭葉=聴覚野(41・42野)・ウェルニッケ野(22野後部)・嗅覚野(内側)・海馬(記憶)が集中する「聴・言・嗅・記」の葉。
  • 覚え方のコツ: 「側頭=横=耳」で聴覚野を位置づけ、そこから言語理解(ウェルニッケ)・記憶(海馬)・嗅覚(内側古皮質)と派生させて覚える。
  • 関連知識: 4葉の代表機能野:前頭=運動・ブローカ、頭頂=体性感覚・味覚、側頭=聴覚・ウェルニッケ・嗅覚、後頭=視覚。
  • よくある間違い: 側頭葉=視覚と誤る(実際は後頭葉)/運動野を側頭葉と誤る(実際は前頭葉)/聴覚野と一次聴覚の位置を混同(横側頭回が一次)。
  • 臨床応用: 側頭葉てんかんでは扁桃体・海馬起始の部分発作(複雑部分発作)で自律症状・既視感・幻嗅・ぼんやりした意識障害が出現する。ヘルペス脳炎も側頭葉内側を好発部位とする。
比較表
脳葉 含まれる主な領野・構造
前頭葉 一次運動野、運動前野・補足運動野、ブローカ運動性言語野、前頭前野
頭頂葉 一次体性感覚野、味覚野、頭頂連合野
側頭葉 一次聴覚野(ヘシュル回)、ウェルニッケ感覚性言語野、嗅覚野、海馬
後頭葉 一次視覚野(有線領)、二次視覚野
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題29|側頭葉にみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題29|側頭葉にみられるのはどれか。
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