
この図の解説
図の上段は視覚伝導路を示す。網膜→視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視覚野と一直線に進み、ここに上丘は含まれない点をまず押さえたい。上丘は中脳蓋(四丘体)の上側の一対で、視覚情報の「一部」を横から受け取る中継地であって、モノを見る本道の途中駅ではない。図では視索から下りる網膜視蓋路と、視覚野から戻る皮質視蓋路の二方向の矢印が上丘に集まる。上丘から先は視蓋脊髄路が中脳・橋・脊髄と下行し、前角の脊髄α運動ニューロンを介して頚部の筋を動かす。これが「動く目標を追う眼球・頭部運動」という視覚性運動反射の実体である。左の断面図で上丘から前索を下る青い線をたどると、反射の出力経路が体でイメージできる。黄色の注記が示すとおり、下丘は聴覚伝導路に含まれる対照的な存在である。
学習の要点
- 上丘=視覚の反射運動(移動する目標を追う眼球運動)の中枢。中脳蓋(四丘体)の上一対。
- 覚え方のコツ: 「上は目・下は耳」。上丘=視覚反射、下丘=聴覚反射(突然の音の方へ頭・眼を向ける)。
- 関連知識: 外側膝状体は視覚の中継核、内側膝状体は聴覚の中継核。視索の線維の一部は上丘に送られ瞳孔反射に関与する。
- よくある間違い: 視覚伝導路の中継に上丘を入れてしまう。伝導路の中継は外側膝状体であり、上丘は「反射」の中枢。
- 臨床応用: 視蓋脊髄路は錐体外路の下行路で、頚部を反射的に向ける運動の協調を無意識に調節する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
上丘から起こり脊髄へ下行して頚部の筋を反射的に動かす下行性伝導路を( )という。
答えを見る
答え: 視蓋脊髄路
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。