学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ R. 頭頸部の脈管・末梢神経 / Q1087

理由で解く 解剖学

Q1087 運動器系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題31
問題
胸管が血管に連結する部位はどれか。
選択肢
1 右鎖骨下動脈と右総頸動脈との合流部
2 左鎖骨下動脈と左総頸動脈との合流部
3 右鎖骨下静脈と右内頸静脈との合流部
4 左鎖骨下静脈と左内頸静脈との合流部
解答
正解4(左鎖骨下静脈と左内頸静脈との合流部)
解説
✗ 1. 誤り
右鎖骨下動脈と右総頸動脈との合流部
動脈は腕頭動脈が右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分岐する部位(右側のみ)で、リンパ(胸管)は動脈系には注がない。リンパ管は最終的に静脈角(静脈系)に開口する。
✗ 2. 誤り
左鎖骨下動脈と左総頸動脈との合流部
左側では鎖骨下動脈と総頸動脈は合流せず、それぞれ大動脈弓から独立に起始するため、この合流部は存在しない。また胸管は動脈ではなく静脈系に注ぐ。
✗ 3. 誤り
右鎖骨下静脈と右内頸静脈との合流部
右静脈角にあたる部位であるが、ここに注ぐのは右リンパ本幹であって胸管ではない。右リンパ本幹は右上半身(右頭頸部・右上肢・右乳房)のリンパを集め、右鎖骨下リンパ本幹・右頸リンパ本幹・右気管支縦隔リンパ本幹が合流して形成される短い管である。
✓ 4. 正しい
左鎖骨下静脈と左内頸静脈との合流部
胸管は右上半身を除く全身のリンパ(下半身全体+左上半身)を集める最大のリンパ本幹で、乳び槽(第12胸椎高位)から脊柱前面を上行し、大動脈裂孔を通って胸腔に入り、胸郭上口を抜けて左静脈角(左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流部)に開口する。この部位付近で左頸リンパ本幹・左鎖骨下リンパ本幹も合流して胸管に注ぐ。右側では胸管の代わりに右リンパ本幹が右静脈角に注ぐという左右非対称が特徴である。
ポイント
  • 胸管は左静脈角(左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流部)に注ぐ。集めるのは右上半身を除く全身(下半身+左上半身)のリンパ。
  • 覚え方のコツ: 「胸管は左、右リンパ本幹は右」。静脈角=鎖骨下静脈+内頸静脈の合流部と覚える。
  • 関連知識: 胸管の起始は乳び槽(L2レベル)。腰リンパ本幹・腸リンパ本幹(腸管→乳び管)が合流。大動脈裂孔を通る。
  • よくある間違い: 胸管を動脈系に注ぐと誤解する/右静脈角に胸管が注ぐと誤る(実際は右リンパ本幹)/乳び槽と胸管を混同する。
  • 臨床応用: 左鎖骨上リンパ節転移(Virchow転移)は腹部悪性腫瘍(胃癌など)が胸管経由で到達したもの。胸管損傷では乳び胸が生じる。
比較表
リンパ本幹 集めるリンパ 注ぐ部位
胸管 右上半身以外の全身 左静脈角(左鎖骨下静脈+左内頸静脈)
右リンパ本幹 右上半身(右頭頸部・右上肢・右乳房) 右静脈角(右鎖骨下静脈+右内頸静脈)
左・右頸リンパ本幹 頭頸部左右 同側の静脈角(胸管または右リンパ本幹に合流)
左・右鎖骨下リンパ本幹 左右上肢・乳房 同側の静脈角
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題31|胸管が血管に連結する部位はどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題31|胸管が血管に連結する部位はどれか。
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