学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ B. 脊髄 / Q0500

理由で解く 解剖学

Q0500 神経系

出典:あマ指 第30回(2022) 問題21
問題
成人の脊髄について正しいのはどれか。
選択肢
1 後角には運動神経細胞が集まる。
2 脊髄円錐は仙骨の高さにある。
3 脊髄神経節は後根にある。
4 中心管は白質を通る。
解答
正解3(脊髄神経節は後根にある。)
解説
✗ 1. 誤り
後角には運動神経細胞が集まる。
後角に集まるのは感覚神経細胞であり、運動神経細胞は前角に集まる。前角と後角を取り違えた誤りのため、本問の答えではない。前角=運動、後角=感覚、側角=自律という機能局在を押さえる。
✗ 2. 誤り
脊髄円錐は仙骨の高さにある。
成人の脊髄円錐は第1~2腰椎の高さで終わり、仙骨の高さにはない。胎児期から発育に伴って脊柱の方が長く伸びるため相対的に上方へシフトする。仙骨と記述するのは誤りで、本問の答えではない。
✓ 3. 正しい
脊髄神経節は後根にある。
脊髄神経節(後根神経節)は後根の途中に位置するふくらみで、感覚神経(求心性ニューロン)の偽単極細胞体が集まってできる。一次ニューロンの末梢側突起は皮膚や深部組織の受容器へ、中枢側突起は後根を通って脊髄後角でシナプスを形成する。ベル-マジャンディーの法則「前根=遠心性、後根=求心性」により、神経節は後根にのみ存在し前根にはない。この記述は正しく、本問の答えとなる。帯状疱疹ウイルスは脊髄神経節に潜伏し、再活性化で支配皮膚節に疼痛と発疹を生じる。
✗ 4. 誤り
中心管は白質を通る。
中心管は脊髄のH字形灰白質の中央を貫通する細い腔で、発生初期の神経管の名残りである。灰白質の中央を通るのであって、白質を通るのではない。中心管は上方で第4脳室と連続し、脳脊髄液で満たされる。白質と記述するのは誤りで、本問の答えではない。
ポイント
  • 脊髄神経節は後根上のふくらみで感覚ニューロン細胞体の集団。前角=運動、後角=感覚、側角=自律。脊髄円錐はL1-L2。中心管は灰白質中央を走る。
  • 覚え方のコツ: 「後根=感覚=神経節あり」「前根=運動=神経節なし」でベル-マジャンディー則を固定記憶。
  • 関連知識: 脊髄神経節の感覚ニューロンは偽単極性で、末梢側と中枢側の2本の突起を持つ。自律神経の節前ニューロンは側角に、節後ニューロンは交感神経節・壁内神経節に細胞体を置く。
  • よくある間違い: 後角を運動と誤認/脊髄円錐を仙骨と誤る/中心管を白質内と誤認/脊髄神経節を前根と取り違える。
  • 臨床応用: 帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスが脊髄神経節(後根神経節)に潜伏し、免疫低下時に再活性化して支配皮膚節に片側性の疼痛と小水疱を生じる。三叉神経節に潜伏すれば顔面帯状疱疹となる。
比較表
構造 位置 特徴
前角 腹側突出部 運動ニューロン
後角 背側突出部 感覚ニューロン
側角 中間外側(Th1-L2) 自律神経ニューロン
脊髄神経節 後根上のふくらみ 感覚細胞体
脊髄円錐 L1-L2 脊髄下端
中心管 灰白質中央 神経管の名残
解説画像
あマ指 第30回(2022) 問題21|成人の脊髄について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第30回(2022) 問題21|成人の脊髄について正しいのはどれか。
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