学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ A. 神経系の構成 / Q0491

理由で解く 解剖学

Q0491 神経系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題16
問題
血液脳関門の形成に関与するのはどれか。
選択肢
1 上衣細胞
2 希突起膠細胞
3 星状膠細胞
4 小膠細胞
解答
正解3(星状膠細胞)
解説
✗ 1. 誤り
上衣細胞
上衣細胞は脳室の内面を覆う一層の上皮様グリアで、脳室内の脳脊髄液と脳実質との境界をなす。脳脊髄液関門(上衣細胞―脳室側)の形成には関与するが、血液脳関門(毛細血管と脳実質の間)の主構成要素ではない。本問の答えではない。
✗ 2. 誤り
希突起膠細胞
希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)は中枢神経の軸索に髄鞘を形成するグリアで、伝導速度を速める役割を担う。血液脳関門の形成には直接関与しないため本問の答えではない。
✓ 3. 正しい
星状膠細胞
星状膠細胞(アストロサイト)は中枢神経で最も数の多いグリアで、長い突起の終末部(終足)を脳毛細血管の外壁にびっしりと張り付かせ、毛細血管内皮細胞のタイトジャンクション形成と維持を誘導する。これにより内皮細胞間が密閉され、水溶性分子や大分子の脳実質への移行が制限される血液脳関門(BBB)が成立する。アストロサイトは関門形成の主要プレーヤーであり、本問の答えとなる。BBBは脂溶性物質や特定の輸送体を持つ糖・アミノ酸のみが透過でき、薬物治療の障壁ともなる。
✗ 4. 誤り
小膠細胞
小膠細胞(ミクログリア)は中枢唯一のマクロファージ系細胞で、異物や細胞断片の貪食、感染・炎症時の免疫応答を担う。血液脳関門の構造形成には直接関わらないため本問の答えではない。血管周囲に存在し、関門破綻時には反応性に活性化する。
ポイント
  • 血液脳関門(BBB)は脳毛細血管内皮のタイトジャンクションと、それを誘導・維持するアストロサイト終足から成る。
  • 覚え方のコツ: 「血管内皮+アストロ終足=BBB」。上衣=脳室側、オリゴ=髄鞘、ミクロ=食べる係、と役割で切り分ける。
  • 関連知識: BBBは脂溶性物質や専用トランスポーターを持つ糖・アミノ酸のみ透過。水溶性大分子や多くの薬物は通りにくい。脳脊髄液関門は脈絡叢上皮が形成。
  • よくある間違い: 血液脳関門の主要細胞をオリゴデンドロサイトや小膠細胞と誤認/アストロサイトを単なる支持細胞と軽視する/上衣細胞とアストロサイトを混同。
  • 臨床応用: 細菌性髄膜炎・脳虚血・多発性硬化症ではBBBが破綻し、造影MRIでの病変染影やフルイド移動による脳浮腫を生じる。逆に中枢移行性の低い抗菌薬は髄膜炎治療で用量増を要する。
比較表
細胞 中枢での主な役割 BBB関与
アストロサイト BBB誘導・代謝支持 主役
オリゴデンドロサイト 髄鞘形成 無関係
ミクログリア 貪食・免疫 無関係(破綻時活性化)
上衣細胞 脳室上皮 脳脊髄液関門
血管内皮細胞 タイトジャンクション 共に主役
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題16|血液脳関門の形成に関与するのはどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題16|血液脳関門の形成に関与するのはどれか。
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