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理由で解く 解剖学

Q0030 人体の構成

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題15
問題
最も伸縮性の高い上皮はどれか。
選択肢
1 単層扁平上皮
2 重層扁平上皮
3 単層円柱上皮
4 移行上皮
解答
正解4(移行上皮)
解説
✗ 1. 誤り
単層扁平上皮
単層扁平上皮は平たい細胞が1層に並ぶ最も薄い上皮で、血管やリンパ管の内皮、肺胞上皮、漿膜(腹膜・胸膜)などに見られる。物質拡散やガス交換に適するが、伸縮性はほとんどない。
✗ 2. 誤り
重層扁平上皮
重層扁平上皮は多層の扁平細胞が積み重なる構造で、皮膚表皮・口腔・食道・腟・肛門管などに分布する。摩擦や機械的刺激に対する防御には優れるが、細胞層の伸び縮みによる大きな容積変化には対応しない。
✗ 3. 誤り
単層円柱上皮
単層円柱上皮は背の高い円柱状細胞が1層に並び、胃・腸管粘膜・子宮内膜などに分布する。吸収・分泌機能に優れるが、細胞自体は大きく変形せず伸縮性は低い。
✓ 4. 正しい
移行上皮
移行上皮は内腔容積の変化に応じて細胞層の厚さと細胞形が大きく変わる特殊な上皮で、膀胱・尿管・腎盂に分布する。空虚時には細胞が丸く重なり層が厚く見え、尿が充満すると扁平に伸び薄い層になる。この「層数まで変化する」仕組みにより最大の伸縮性を確保しており、ほかの上皮では実現できない機能である。
ポイント
  • 移行上皮は容積変化に応じて層の厚さが変わり、最も伸縮性が高い。膀胱・尿管・腎盂に分布する。
  • 覚え方のコツ: 「尿路=移行」で統一。尿で伸び、空で縮む=移行上皮。
  • 関連知識: 単層扁平は血管・肺胞、重層扁平は食道・皮膚、単層円柱は腸。円柱は吸収、扁平は保護、移行は伸縮が得意。
  • よくある間違い: 「重層=伸縮する」と誤解する。重層扁平は摩擦に耐えるが伸び縮みしない。
  • 臨床応用: 膀胱尿路上皮癌(移行上皮癌)は膀胱癌の大多数を占め、血尿を主訴とする。尿路全域に多発する傾向がある。
比較表
上皮の種類 代表部位 主な機能
単層扁平上皮 血管内皮・肺胞・漿膜 物質拡散・ガス交換
重層扁平上皮 表皮・食道・口腔・腟 機械的防御
単層円柱上皮 胃・腸粘膜・子宮内膜 吸収・分泌
多列線毛上皮 気管・鼻腔・卵管 粘液輸送・線毛運動
移行上皮 膀胱・尿管・腎盂 容積変化への伸縮適応
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題15|最も伸縮性の高い上皮はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題15|最も伸縮性の高い上皮はどれか。
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