
この図の解説
図の左下、腎臓の上にナポレオンの帽子のようにかぶさる三角形が副腎で、外側の薄い層が皮質、中心部が髄質だ。両者は由来も構造も機能もまったく異なる。右の顕微鏡像に添えられた注記をたどると、皮質は表層から順に球状帯・束状帯・網状帯の3層に分かれ、それぞれアルドステロン(電解質コルチコイド)・コルチゾール(糖質コルチコイド)・副腎アンドロゲンを分泌する。皮質は腹膜上皮から生じる中胚葉性器官で、下垂体ACTHの支配を受ける。いちばん下の水色の枠が髄質で、交感神経幹神経節と発生を同じくする神経由来の組織であり、交感神経節前線維の調節を受けてアドレナリンとノルアドレナリン(カテコールアミン)を分泌する。「外側3層=ステロイド、中心=カテコールアミン」という配置と由来の違いをまず押さえたい。
学習の要点
- 副腎は皮質と髄質からなり、皮質は3層でステロイドホルモン、髄質はカテコールアミンを分泌する。由来は皮質=中胚葉(腹膜上皮)、髄質=神経由来(交感神経と同起源)で対照的。
- 覚え方のコツ: 皮質の層とホルモンは表層から「球・束・網」に「アルドステロン・コルチゾール・アンドロゲン」を対応させ、「Salt(塩)・Sugar(糖)・Sex(性)」の順で暗記する。
- 関連知識: 球状帯のアルドステロンは尿細管でのナトリウムイオン吸収を促進し、水も同時に再吸収される。束状帯のコルチゾールは糖新生と抗炎症作用をもつ。
- よくある間違い: 副腎髄質を「皮質から発生する」と誤らないこと。髄質だけが神経由来で、皮質とは起源がまったく別である。
- 臨床応用: コルチゾール(糖質コルチコイド)の抗炎症作用は、ステロイド薬として炎症性疾患の治療に利用される。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
副腎皮質は表層から順に、球状帯・( )帯・網状帯の3層に区別される。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 束状
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。