
この図の解説
この図でまず注目したいのは、右上の黄色い囲みにある「副腎皮質=腹膜上皮に由来(中胚葉性)」「副腎髄質=神経堤に由来(外胚葉性)」という一文である。ひとつの器官でありながら、皮質と髄質は由来も構造も機能もまったく異なる、という副腎の本質がここに凝縮されている。左上の胎生初期像を見ると、神経管の背側から離れた「神経堤」の細胞が矢印に沿って腹側へ移動し、大動脈のわきで交感神経幹神経節・椎前神経節をつくる一方、その一部がさらに下って「副腎髄質原基」(青)となる。これと隣り合って、腹膜上皮由来の「副腎皮質原基」(黄土色)が集まる。胎生6週・8週と進むと、皮質原基が髄質原基を包み込み、下段左の成熟像のように外側の皮質(球状帯・束状帯・網状帯)が内側の髄質を取り囲む二層構造が完成する。青いクロム親和性細胞が中央に集まる点も、髄質が神経由来であることの証拠として押さえたい。
学習の要点
- 副腎は皮質と髄質で発生起源が異なる二重構造。皮質=腹膜上皮由来の中胚葉性、髄質=神経堤由来の外胚葉性である。
- 覚え方のコツ: 「外側の皮質は中身(中胚葉)、中心の髄質は外側(外胚葉)から」と逆転で記憶すると混同しにくい。
- 関連知識: 髄質のクロム親和性細胞は交感神経節後ニューロンが軸索を失い内分泌細胞化したもので、交感神経節前線維の支配を受け、分泌物はカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)。
- よくある間違い: 皮質と髄質の由来を取り違える。皮質は男性ホルモンも出すが神経由来ではなく、髄質こそが神経由来。
- 臨床応用: 髄質のクロム親和性細胞が腫瘍化するとカテコールアミン過剰で高血圧発作を起こす褐色細胞腫となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。