学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ E. 副腎 / Q0478

理由で解く 解剖学

Q0478 内分泌系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題24
問題
副腎について正しい記述はどれか。
選択肢
1 髄質からアルドステロンが分泌される。
2 皮質は腹膜上皮に由来する。
3 副腎には間膜がある。
4 副腎からのホルモンは門脈に分泌される。
解答
正解2(皮質は腹膜上皮に由来する。)
解説
✗ 1. 誤り
髄質からアルドステロンが分泌される。
アルドステロンを分泌するのは副腎髄質ではなく、「皮質の球状帯」である。髄質からはカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)が分泌される。皮質3層と髄質の分泌物質を混同しやすいので注意する。
✓ 2. 正しい
皮質は腹膜上皮に由来する。
副腎皮質は発生学的に腹膜上皮(中胚葉)に由来する。胎生期に後腹壁の腹膜上皮(生殖隆起の内側部)の細胞が増殖して尿生殖堤内側の隆起をなし、ここから胎児性皮質が形成される。のちに表面から新たな皮質細胞が添加され、球状帯・束状帯・網状帯の3層構造となる。一方、副腎髄質は外胚葉の神経堤由来で、交感神経節前細胞と同じ起源をもつ神経系由来の細胞(クロム親和細胞)である。皮質と髄質はまったく別系統の発生をたどり、偶然同じ器官内で出会った2組織と言える点が副腎の最大の特徴である。
✗ 3. 誤り
副腎には間膜がある。
副腎は後腹膜器官であり、腹膜内臓器のように間膜(臓器と腹壁をつなぐ腹膜のひだ)をもたない。副腎は脂肪組織とジェロタ筋膜(腎筋膜)に包まれて腎臓とともに後腹膜腔に固定される。間膜をもつのは小腸・横行結腸・S状結腸などの腹膜内臓器に限られる。
✗ 4. 誤り
副腎からのホルモンは門脈に分泌される。
副腎からのホルモンは門脈ではなく、副腎静脈を介して下大静脈(右副腎は直接、左副腎は左腎静脈を経由)に流入して体循環系に入る。門脈系へ流れ込むのは消化管臓器・膵臓・脾臓の静脈血である。副腎ホルモンは門脈を通って肝臓で先に代謝されるのではなく、全身に直接作用してから肝代謝を受ける。
ポイント
  • 副腎皮質は腹膜上皮(中胚葉)由来、髄質は神経堤(外胚葉)由来で、起源を異にする2組織が1臓器に同居する。
  • 覚え方のコツ: 「皮質=腹膜上皮・中胚葉・ステロイド」「髄質=神経堤・外胚葉・カテコールアミン」を二項対立で暗記。
  • 関連知識: 同じく中胚葉由来の内分泌器官には性腺・下垂体後葉を除く大半のホルモン産生組織が含まれる。神経堤由来には副腎髄質・傍神経節・C細胞・メラノサイトなど。
  • よくある間違い: 皮質と髄質の由来を逆に覚える/副腎を腹膜内臓器とする/副腎ホルモンを門脈に流れ込むと誤認。
  • 臨床応用: 神経堤由来の組織から発生する腫瘍として褐色細胞腫(副腎髄質)・傍神経節腫・神経芽腫(小児)がある。皮質腺腫はホルモン非産生のこともあり「副腎偶発腫」として臨床で問題になる。
比較表
部位 発生由来 産物の性質
副腎皮質 中胚葉(腹膜上皮) ステロイド(コレステロール由来)
副腎髄質 外胚葉(神経堤) カテコールアミン(アミノ酸由来)
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題24|副腎について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題24|副腎について正しい記述はどれか。
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