学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ J. 膵臓 / Q0347

理由で解く 解剖学

Q0347 消化器系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題23
問題
膵臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 第4・第5 腰椎の高さにある。
2 後腹壁に付着している。
3 左端は十二指腸に接している。
4 膵液はランゲルハンス島から分泌される。
解答
正解2(後腹壁に付着している。)
解説
✗ 1. 誤り
第4・第5 腰椎の高さにある。
膵臓は第1・第2腰椎(L1〜L2)の前面を横走する。第4・第5腰椎高は大動脈分岐部・総腸骨動脈起始部・岬角に相当する位置で、この高さにあるのは小腸間膜の根・上行結腸下部・尿管などである。膵臓より3〜4椎体下方に相当する。
✓ 2. 正しい
後腹壁に付着している。
膵臓は長さ約15cm・重さ約70gの舌状の実質性器官で、第1〜第2腰椎前面を水平に横走し、後腹壁に付着して固定されている。前面のみが腹膜(胃後壁の小網嚢・横行結腸間膜根・腸間膜根などの壁側腹膜)に覆われ、後面は結合組織で直接後腹壁に癒着する。このため十二指腸(球部以外)・上行結腸・下行結腸・腎臓・副腎・尿管などと並んで典型的な腹膜後臓器に分類される。この解剖学的位置関係から、膵臓は呼吸や姿勢による可動性が極めて乏しく、膵臓病変では体幹背側への放散痛(背部痛)を伴いやすい。
✗ 3. 誤り
左端は十二指腸に接している。
膵臓の左右端の接触関係は逆で、「右端(膵頭)が十二指腸に抱かれ」「左端(膵尾)は脾臓に接する」というのが正しい。膵頭はC字形に屈曲した十二指腸の凹側に包まれ、そこで主膵管と総胆管が合流してファーター乳頭を形成する。膵尾は左上方の脾臓門に達する。
✗ 4. 誤り
膵液はランゲルハンス島から分泌される。
膵液を分泌するのは外分泌部(腺房細胞)であり、ランゲルハンス島ではない。ランゲルハンス島は内分泌細胞塊で、A細胞のグルカゴン・B細胞のインスリン・D細胞のソマトスタチンという「ホルモン」を血中に分泌する。外分泌と内分泌の役割を取り違えた典型的な誤答である。
ポイント
  • 膵臓は第1〜第2腰椎前面を横走する後腹膜臓器で、前面のみが腹膜で覆われ、後面は後腹壁に直接付着して固定されている。
  • 覚え方のコツ: 「膵の高さ=L1〜L2」「右(膵頭)十二指腸/左(膵尾)脾臓」と左右対称で左右端の接触関係を一組で記憶する。
  • 関連知識: 膵臓後面を走行する重要血管は、下大静脈・腹大動脈・左腎静脈・上腸間膜静脈・門脈で、特に門脈は膵頭上縁で上腸間膜静脈と脾静脈の合流によって形成される。
  • よくある間違い: 膵の高さをL4-5(岬角高)と誤る/膵尾と膵頭の接触臓器を逆に覚える/膵液を膵島からと誤解する。
  • 臨床応用: 膵の後腹膜付着ゆえ炎症は背部痛を主症状とし、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)は膵頭部ファーター乳頭からアプローチする。
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題23|膵臓について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題23|膵臓について正しい記述はどれか。
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