学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ A. 下垂体 / Q0456

理由で解く 解剖学

Q0456 内分泌系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題22
問題
内分泌腺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 下垂体前葉は神経性下垂体と呼ばれる。
2 上皮小体は甲状腺の背面にある。
3 副腎髄質は外胚葉に由来する。
4 膵臓の内分泌細胞で一番多いのはβ細胞である。
解答
正解1(下垂体前葉は神経性下垂体と呼ばれる。)
解説
✓ 1. 誤り
下垂体前葉は神経性下垂体と呼ばれる。
下垂体前葉は発生学的には原始口腔(ラトケ嚢)の上皮が上方に伸びてできた部分で、腺細胞の集まりからなるため「腺性下垂体」と呼ばれる。神経性下垂体と呼ばれるのは第3脳室底から突出した「後葉(+漏斗)」であり、視索上核・室傍核から神経線維が下降してオキシトシン・バソプレシンを貯蔵・放出する。前葉と後葉で発生起源と名称が逆になる点が本問の核心であり、この選択肢が「誤り」に該当する。
✗ 2.
上皮小体は甲状腺の背面にある。
✗ 正しい。 上皮小体は米粒大の4個の小体が甲状腺側葉の「背面(後面)」に埋め込まれるように位置し、パラソルモン(PTH)を分泌する。PTHは破骨細胞を刺激し骨吸収・腎でのCa再吸収を促進、血中カルシウム濃度を上昇させる。正しい記述である。
✗ 3.
副腎髄質は外胚葉に由来する。
✗ 正しい。 副腎は由来の異なる2つの組織が癒合してできた臓器で、皮質は中胚葉由来、髄質は外胚葉(神経堤)由来である。髄質のクロム親性細胞は交感神経節後ニューロンに相当する位置づけで、アセチルコリン刺激でアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌する。正しい記述である。
✗ 4.
膵臓の内分泌細胞で一番多いのはβ細胞である。
✗ 正しい。 膵臓のランゲルハンス島にはα細胞(グルカゴン)、β細胞(インスリン)、δ細胞(ソマトスタチン)などがあり、このうちβ細胞が最も多く約60〜70%を占める。α細胞は約20%、δ細胞は数%程度。糖代謝の中心を担うインスリン産生細胞が圧倒的多数という構成は頻出で、正しい記述である。
ポイント
  • 腺性下垂体=前葉・中間部・隆起部(原始口腔由来)、神経性下垂体=後葉・漏斗(第3脳室底由来)。前葉を神経性下垂体とする選択肢は典型的な引っかけ。
  • 覚え方のコツ: 「前=腺(サキセン)/後=神(アトカミ)」のゴロで位置と名称を逆にしない。副腎は「皮=中胚(ちゅうはい)/髄=外胚(がいはい)」で由来を対比。
  • 関連知識: 前葉は視床下部との連絡を下垂体門脈系で、後葉は神経線維で行う。副腎髄質は神経堤由来で交感神経節後ニューロンの性質をもつ。
  • よくある間違い: 前葉を神経性下垂体と誤認/上皮小体を甲状腺前面と誤記/ランゲルハンス島でα細胞が最多と誤記(最多はβ細胞)。
  • 臨床応用: β細胞の自己免疫破壊で1型糖尿病が発症する。副腎髄質由来の褐色細胞腫はカテコラミン過剰分泌で発作性高血圧を起こす。
比較表
部位 別称 発生起源 主な構成細胞
下垂体前葉・中間部・隆起部 腺性下垂体 原始口腔(ラトケ嚢、上皮性) 腺細胞(酸好性・塩基好性・色素嫌性)
下垂体後葉・漏斗 神経性下垂体 第3脳室底(神経組織、間脳) 視床下部の無髄神経線維と軸索末端
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題22|内分泌腺について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題22|内分泌腺について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手