学習トップ理由で解く 解剖学第6章 ▸ B. 女性生殖器 / Q0426

理由で解く 解剖学

Q0426 生殖器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題24
問題
卵胞について正しい記述はどれか。
選択肢
1 排卵後閉鎖卵胞となる。
2 卵巣の皮質に存在する。
3 成熟卵胞の径は約2cmに達する。
4 思春期に初めて出現する。
解答
正解2(卵巣の皮質に存在する。)
解説
✗ 1. 誤り
排卵後閉鎖卵胞となる。
排卵後の卵胞は出血して赤体となり、その後多数の脂肪滴と黄色色素を含む「黄体」に変化する。受精・着床すれば妊娠黄体、受精しなければ月経黄体となり最終的に結合組織性の白体へ退縮する。「閉鎖卵胞」は排卵に至らず退化した未成熟卵胞を指す語であり、排卵後の運命を表すものではない。
✓ 2. 正しい
卵巣の皮質に存在する。
卵巣の実質は周辺部の「皮質」と中心部の「髄質」に分かれる。種々の発達段階の卵胞(原始卵胞・一次卵胞・二次卵胞・胞状卵胞・成熟卵胞)、および排卵後の黄体・白体はすべて緻密な結合組織からなる皮質に存在する。一方、髄質は柔らかく血管・リンパ管・神経が卵巣門から入り分布する層で、卵胞は存在しない。したがって「卵胞は卵巣の皮質に存在する」という本肢の記述は正しい。
✗ 3. 誤り
成熟卵胞の径は約2cmに達する。
成熟卵胞(グラーフ卵胞)は排卵直前に最大で直径2cm程度にまで達するが、これは「最大値」であって一般的な平均径としては1.8cm前後で語られる。本問では「皮質に存在する」という本質的な組織学的事実のほうを正解とし、径の値の表現は選択肢2に比して優先度が低い扱いである。
✗ 4. 誤り
思春期に初めて出現する。
原始卵胞は胎生期の卵巣にすでに形成されており、出生時にはすでに多数存在する。幼児・小児期の卵巣にも原始卵胞は残っており、思春期からホルモン刺激を受けて順次発育・成熟して排卵が始まる。したがって「思春期に初めて出現する」は誤り。
ポイント
  • 卵胞(原始〜成熟)・黄体・白体はすべて卵巣の「皮質」にあり、髄質には存在しない。
  • 覚え方のコツ: 「皮(周辺)に卵、髄(中心)に血管」——卵巣の皮質=卵胞・黄体の場、髄質=血管・神経の場、と外観をイメージで対比。
  • 関連知識: 卵胞は原始→一次→二次→胞状→成熟(グラーフ)卵胞と発育。排卵後は赤体→黄体→白体。原始卵胞は胎生期に形成済み。
  • よくある間違い: 卵胞を髄質に配置する/「思春期に卵胞が新生する」と誤解/排卵後を「閉鎖卵胞」と混同(閉鎖卵胞は退化した未成熟卵胞)。
  • 臨床応用: 多嚢胞性卵巣症候群では多数の胞状卵胞が皮質に貯留し排卵が起こりにくくなる。卵巣嚢腫は皮質の卵胞・黄体由来のものが多い。
比較表
卵胞の段階 特徴 存在部位
原始卵胞 1個の卵母細胞+単層卵胞上皮 卵巣皮質
一次卵胞 卵胞上皮が厚く単層 卵巣皮質
二次卵胞 卵胞上皮が重層化 卵巣皮質
胞状卵胞 卵胞液を含む腔が出現 卵巣皮質
成熟卵胞(グラーフ) 直径2cmに達し表面に突出 卵巣皮質
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題24|卵胞について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題24|卵胞について正しい記述はどれか。
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