学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0363

理由で解く 解剖学

Q0363 泌尿器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題23
問題
腎臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 弓状動脈は皮質と髄質との間を走る。
2 遠位尿細管は腎杯に注ぐ。
3 集合管はネフロンに含まれる。
4 ボーマン嚢は結合組織からなる。
解答
正解1(弓状動脈は皮質と髄質との間を走る。)
解説
✓ 1. 正しい
弓状動脈は皮質と髄質との間を走る。
腎動脈は腎門から入った後、腎錐体の間を縦走する葉間動脈となり、その枝が皮質と髄質の境界部を横走する弓状動脈となる。弓状動脈からさらに皮質に向かって上行する小葉間動脈が分かれ、そこから輸入細動脈が糸球体に入る。したがって「弓状動脈は皮質と髄質の間を走る」という位置関係の記述は正しい。この層構造は腎組織像や造影CTでも弓状動脈は皮髄境界に帯状に走行して描出され、皮質と髄質の境界を見分ける指標となる。
✗ 2. 誤り
遠位尿細管は腎杯に注ぐ。
遠位尿細管は腎杯に直接注がず、集合管に合流する。集合管は複数のネフロンからの遠位尿細管を集めて腎錐体内を下行し、腎乳頭の先端で腎杯に開口する。腎杯に尿を放出するのは集合管の末端(乳頭管)で、遠位尿細管ではない。
✗ 3. 誤り
集合管はネフロンに含まれる。
ネフロン(腎単位)は腎小体(糸球体+ボウマン嚢)と尿細管(近位・ヘンレループ・遠位)をまとめた単位で、集合管は含まれない。集合管は複数のネフロンの遠位尿細管を受け取る共用の管であり、バゾプレッシンによる水再吸収を担うが、機能単位としてはネフロンの外に位置づけられる。
✗ 4. 誤り
ボーマン嚢は結合組織からなる。
ボウマン嚢は結合組織ではなく「上皮性」の袋である。臓側葉は足細胞に分化した特殊な上皮、壁側葉は単層扁平上皮からなる二重構造で、結合組織性の被膜ではない。腎全体を覆うのは線維性の腎被膜で、ボウマン嚢とは別構造である。
ポイント
  • 腎動脈の分枝順は「腎動脈→葉間動脈→弓状動脈→小葉間動脈→輸入細動脈→糸球体→輸出細動脈」。弓状動脈は皮髄境界を横走する。
  • 覚え方のコツ: 腎血管は「葉(葉間)→弓(弓状)→小(小葉間)→入(輸入)→出(輸出)」の5ステップ。弓状の“弓”は皮質と髄質を“またぐ”イメージ。
  • 関連知識: 輸出細動脈は糸球体を出た後、尿細管周囲の毛細血管網(peritubular capillary)を形成し、再吸収された物質を静脈系に運ぶ。傍髄質ネフロンでは直細血管(vasa recta)として髄質深部へ下行する。
  • よくある間違い: 遠位尿細管を直接腎杯に注ぐと誤解する/集合管をネフロンに含めてしまう/ボウマン嚢を結合組織性と誤認する(実際は上皮性)。
  • 臨床応用: 弓状動脈レベルの閉塞では皮質楔状梗塞を生じ、境界明瞭な低吸収域として造影CTで同定される。腎血管撮影では弓状動脈の分布パターンが皮質血流評価の指標となる。
比較表
血管名 走行部位 役割
腎動脈 腎門 腎へ流入する幹動脈
葉間動脈 腎錐体の間 皮質へ向かって縦走
弓状動脈 皮質と髄質の境界 皮髄境界を横走(本問の正答)
小葉間動脈 皮質内を上行 輸入細動脈を分岐
輸入/輸出細動脈 糸球体出入口 糸球体濾過圧を形成
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題23|腎臓について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題23|腎臓について正しい記述はどれか。
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