
この図の解説
左上の卵巣断面図には、①原始卵胞・②二次卵胞・③胞状卵胞・④グラーフ卵胞・⑤黄体という発達段階の異なる卵胞が同時に描かれている。ここで見るべきは「未熟なものは小さく卵巣表層に、成熟したものは大きく内部に張り出す」という発育の順序である。①原始卵胞は出生時から待機状態で存在し、1個の卵母細胞を単層の卵胞上皮が包む最も未熟な形。②二次卵胞では卵胞上皮が重層化して顆粒層となり、③胞状卵胞では顆粒層の外側に卵胞膜ができ内部に卵胞腔(卵胞液が溜まる腔所)が現れる。④グラーフ卵胞は最も成熟した卵胞で、卵子が卵丘とともに周辺へ寄り、排卵直前まで発育してエストロゲンを分泌する。破れて排卵(④'排卵後)が起こると、残った顆粒層・卵胞膜は⑤黄体に変化し、プロゲステロンを分泌する。エストロゲンを産む段階とプロゲステロンを産む段階が入れ替わる点が図の核心である。
学習の要点
- 卵胞の発育順は①原始卵胞→一次卵胞→②二次卵胞→③胞状卵胞→④成熟卵胞(グラーフ卵胞)。エストロゲン(卵胞ホルモン)は卵胞膜が完成する胞状卵胞の段階から分泌が本格化し、グラーフ卵胞まで続く。
- 覚え方のコツ: 「原始→二次→胞状→グラーフ→排卵→黄体→白体」の一本道。エストロゲンは排卵まで、プロゲステロンは排卵後の黄体から、と時間軸で区切る。
- 関連知識: エストロゲンは卵胞膜から分泌される。胞状卵胞で顆粒層の外側に卵胞膜が形成される点が分泌開始の目印。
- よくある間違い: 黄体が分泌するのはエストロゲンではなくプロゲステロン(黄体ホルモン)。原始卵胞は思春期に新生されるのではなく、出生時にはすでに存在している。
- 臨床応用: 排卵後の黄体は受精・着床があれば妊娠黄体として持続し、なければ月経黄体(最大約2cm)となった後に退縮して白体になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
最も成熟し排卵直前の状態にある卵胞を( )卵胞という。
答えを見る
答え: グラーフ(成熟)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。