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理由で解く 解剖学

Q0395 泌尿器系

出典:あマ指 第14回(2006) 問題25
問題
膀胱について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 男性では直腸の前方に位置する。
2 女性では子宮の前方に位置する。
3 後腹膜器官である。
4 粘膜の上皮は移行上皮である。
解答
正解3(後腹膜器官である。)
解説
✗ 1.
男性では直腸の前方に位置する。
✗ 正しい。 「男性では直腸の前方に位置する」は正しい。男性の小骨盤腔は前方から順に「恥骨→膀胱→直腸」と並び、膀胱の後面と直腸の前面が接する。両者の間には腹膜が反転して直腸膀胱窩(男性腹膜腔の最下点)が形成される。
✗ 2.
女性では子宮の前方に位置する。
✗ 正しい。 「女性では子宮の前方に位置する」は正しい。女性の小骨盤腔は前から「恥骨→膀胱→子宮→直腸」の順で臓器が並ぶ。膀胱と子宮の間には腹膜の反転によって膀胱子宮窩が、子宮と直腸の間には直腸子宮窩(ダグラス窩)が形成される。膀胱は子宮の真後ろではなく真前にある点が重要。
✓ 3. 誤り
後腹膜器官である。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。膀胱は「後腹膜器官」ではなく「腹膜下器官(腹膜外器官)」に分類される。後腹膜器官は腹腔の後壁、すなわち腰部の後腹膜腔に位置する器官(腎臓・副腎・膵臓・十二指腸2〜4部・上行結腸・下行結腸など)を指すが、膀胱は小骨盤腔の前方部にあり、上面のみが腹膜に覆われ、他の部分は腹膜の下(腹膜外)に位置する「腹膜下器官(subperitoneal)」である。腹膜との関係を「完全内・間膜・後腹膜・下方腹膜外」の4分類で整理する際、膀胱・直腸下部・前立腺・子宮頸〜腟などは「腹膜下器官」に含まれ、「後腹膜器官」とは区別される。国試でも頻出のひっかけ。
✗ 4.
粘膜の上皮は移行上皮である。
✗ 正しい。 「粘膜の上皮は移行上皮である」は正しい。膀胱内面は移行上皮(尿路上皮)で覆われ、膀胱の伸展度に応じて細胞の形・層数を可逆的に変える。空虚時は7〜8層で細胞が高く(ドーム状)、充満時は2〜3層で扁平になる。伸展しても組織間液が漏れない密な細胞接着とアピカル膜のウロプラキンにより、強い浸透圧の尿を保持できる。
ポイント
  • 膀胱は「腹膜下器官(小骨盤腔前方)」であり、「後腹膜器官(腰部後腹膜腔)」ではない。用語の区別に注意。
  • 覚え方のコツ: 「腹膜との関係=腰後ろが後腹膜、骨盤下が腹膜下」とレベルで覚える。膀胱は骨盤下方。
  • 関連知識: 尿管は腰部では後腹膜器官、骨盤内に入ると腹膜下器官に位置付けられる。同じ尿路でも部位で腹膜との関係が変わる。
  • よくある間違い: 膀胱を後腹膜器官と誤答/女性で膀胱が子宮の後方にあると誤認/移行上皮を単層扁平と間違える。
  • 臨床応用: 膀胱破裂は腹膜内型と腹膜外型に分かれ、腹膜内型(膀胱頂部)では尿が腹腔に漏れ腹膜炎を起こし緊急手術となる。腹膜外型は骨盤骨折に伴い発生することが多い。
比較表
腹膜との関係 代表器官
腹膜内器官(間膜あり) 胃・小腸・横行結腸・S状結腸・肝
後腹膜器官 腎・副腎・膵・十二指腸(下降〜水平部)・上行結腸・下行結腸・尿管(腰部)
腹膜下器官(骨盤内) 膀胱・下部直腸・子宮頸〜腟・前立腺
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題25|膀胱について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題25|膀胱について誤っている記述はどれか。
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