学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0394

理由で解く 解剖学

Q0394 泌尿器系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題23
問題
前立腺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 膀胱の下に位置する。
2 腹膜に覆われている。
3 導管は尿道に開口する。
4 腺組織の間に平滑筋が含まれる。
解答
正解2(腹膜に覆われている。)
解説
✗ 1.
膀胱の下に位置する。
✗ 正しい。 「膀胱の下に位置する」は正しい。前立腺は男性の骨盤腔内、膀胱底のすぐ下方に密着する栗の実大(重さ約20g)の腺器官で、上端は膀胱頸と連続し、下端は尿生殖隔膜に接する。前面は恥骨結合、後面は直腸前壁と接するため、直腸診(DRE)で後面を触知できる。
✓ 2. 誤り
腹膜に覆われている。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。前立腺は腹膜に覆われていない。腹膜腔の遥か下方、尿生殖隔膜の上の腹膜外(腹膜下)に位置する器官で、周囲は線維性の前立腺被膜と結合組織で包まれる。腹膜反転の下端は男性では直腸膀胱窩までで、前立腺はその下方の骨盤腔(腹膜外)に存在する。したがって、前立腺癌の局所進展は腹膜腔内に波及することは少なく、多くは周囲脂肪組織・精嚢・膀胱頸・尿生殖隔膜・骨盤壁へ直接浸潤する。腹膜に包まれないことを押さえるのが本問のポイント。
✗ 3.
導管は尿道に開口する。
✗ 正しい。 「導管は尿道に開口する」は正しい。前立腺は多数の小腺房から分泌管(前立腺小管)が出て、尿道の前立腺部(精阜周囲)に15〜30本ほどの導管として開口する。前立腺液はアルカリ性で、射精時に精子と混合されて精液の約30%を占める成分となる。
✗ 4.
腺組織の間に平滑筋が含まれる。
✗ 正しい。 「腺組織の間に平滑筋が含まれる」は正しい。前立腺実質は多数の管状胞状腺と、その間を埋める豊富な平滑筋・線維性結合組織が混在する「線維筋性間質」から成る。射精時にはこの平滑筋が交感神経性に収縮し、前立腺液を尿道内に一気に押し出すポンプとして働く。
ポイント
  • 前立腺は膀胱の下、尿生殖隔膜の上に位置する腹膜外(腹膜下)器官。腹膜に包まれない。
  • 覚え方のコツ: 「膀胱の下、尿道の途中、直腸の前」と3方向の位置関係で暗記。腹膜外のため直腸診で触れる。
  • 関連知識: 前立腺は内腺(移行域)と外腺(辺縁域)に分かれ、前立腺肥大症は移行域、前立腺癌は辺縁域から発生することが多い。
  • よくある間違い: 前立腺が腹膜に覆われていると誤答/腺組織のみで構成されていると誤認(実際は線維筋性間質が豊富)/導管が膀胱に開くと誤認。
  • 臨床応用: 前立腺肥大症では移行域が肥大して尿道を圧迫し排尿障害を起こす。前立腺癌は辺縁域に好発し、PSA上昇・直腸診・MRI・生検で診断。直腸診で硬結を触れる後面は辺縁域。
比較表
前立腺の位置関係 隣接構造
膀胱底(膀胱頸と連続)
尿生殖隔膜(外尿道括約筋)
恥骨結合(恥骨前立腺靭帯)
直腸前壁(デノビリエ筋膜)
貫通 尿道(前立腺部)・射精管
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題23|前立腺について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題23|前立腺について誤っている記述はどれか。
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