学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0385

理由で解く 解剖学

Q0385 泌尿器系

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題24
問題
尿が流れる方向について正しいのはどれか。
選択肢
1 尿細管から集合管へ
2 腎盂から腎杯へ
3 尿道から膀胱へ
4 膀胱から尿管へ
解答
正解1(尿細管から集合管へ)
解説
✓ 1. 正しい
尿細管から集合管へ
腎小体(糸球体+ボウマン嚢)で濾過された原尿は近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管を流れ、ここで再吸収・分泌を受けて濃縮されたのち、集合管に集められる。複数のネフロンが同一の集合管に合流して最終尿となり、腎乳頭から腎小杯へ排出される。したがって尿細管→集合管の流れは尿生成の基本経路であり、尿路全体の流れも「腎杯→腎盂→尿管→膀胱→尿道」と一方向性である。
✗ 2. 誤り
腎盂から腎杯へ
向きが逆である。腎錐体の腎乳頭から排出された尿はまず小さな腎小杯に注ぎ、複数の小杯が集まって腎大杯、さらに腎盂となる。「腎杯→腎盂→尿管」の順が正しい流れであり、腎盂から腎杯へ逆流することはない。
✗ 3. 誤り
尿道から膀胱へ
尿道は膀胱から体外へ尿を排泄する経路で、流れは膀胱→尿道→外尿道口の向きである。尿道から膀胱への逆流は通常生じず、もし生じれば上行性感染(膀胱炎・腎盂腎炎)の原因となる。
✗ 4. 誤り
膀胱から尿管へ
向きが逆である。尿管は腎盂から膀胱へ蠕動運動で尿を送り込む一方向性の経路で、膀胱から尿管への逆流は起こらない仕組みになっている。尿管が膀胱壁を斜めに貫く構造が逆流防止弁として働き、膀胱内圧の上昇で尿管が圧平されて逆流を防ぐ。この機構が破綻した状態が膀胱尿管逆流症(VUR)である。
ポイント
  • 尿の流れは「糸球体→近位尿細管→ヘンレループ→遠位尿細管→集合管→腎乳頭→腎杯→腎盂→尿管→膀胱→尿道」と一方向。
  • 覚え方のコツ: 「糸(しきゅうたい)・近・ヘ・遠・集・乳・杯・盂・管・胱・道」の順で頭文字を口ずさむ。腎内は上→下、腎外は腎盂→膀胱→体外と覚える。
  • 関連知識: 原尿は1日約150L生成されるが、尿細管・集合管での再吸収により最終尿は約1〜1.5Lに濃縮される。集合管はバソプレシン(ADH)の作用で水透過性を変化させ尿濃度を調節する。
  • よくある間違い: 「腎盂→腎杯」と逆に記憶する/尿細管と集合管を同一視する/膀胱→尿管の逆流を生理的と誤解する。
  • 臨床応用: 膀胱尿管逆流症(VUR)は尿管が膀胱壁を貫く斜走部の短縮で生じ、反復性腎盂腎炎・腎瘢痕化の原因となる。腎盂腎炎は下部尿路から上行した感染が腎盂・腎実質に及んだ病態で、高熱・CVA叩打痛を呈する。
比較表
区分 経路 主な働き
ネフロン 糸球体→近位尿細管→ヘンレループ→遠位尿細管 濾過・再吸収・分泌
集合系 集合管→乳頭管→腎乳頭 水・Naの最終調節
腎盂尿管系 腎小杯→腎大杯→腎盂→尿管 尿を膀胱へ搬送
下部尿路 膀胱→尿道→外尿道口 蓄尿・排泄
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題24|尿が流れる方向について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題24|尿が流れる方向について正しいのはどれか。
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