学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0384

理由で解く 解剖学

Q0384 泌尿器系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題25
問題
泌尿器について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腎臓は腹膜後器官である。
2 尿管は膀胱三角に開口する。
3 男性では膀胱の後方に直腸がある。
4 尿道は女性の方が長い。
解答
正解4(尿道は女性の方が長い。)
解説
✗ 1.
腎臓は腹膜後器官である。
✗ 正しい。 腎臓は第11胸椎〜第3腰椎の高さで脊柱両側の後腹壁に接し、壁側腹膜の後方に位置する後腹膜器官である。副腎・尿管・膵臓・十二指腸の大部分も後腹膜に属し、手術や画像診断ではこの区別が重要となる。
✗ 2.
尿管は膀胱三角に開口する。
✗ 正しい。 左右の尿管は膀胱底を斜めに貫いて尿管口で開口し、これと内尿道口との3点が膀胱三角を囲む。膀胱三角は粘膜にヒダがなく充満時にも伸展しない平滑な領域で、解剖学の定番問題である。
✗ 3.
男性では膀胱の後方に直腸がある。
✗ 正しい。 男性では膀胱の後方に直腸が接し、両者の間に直腸膀胱窩が形成される。この位置関係により直腸診で前立腺や膀胱底を触診できる。女性では膀胱と直腸の間に子宮・腟が介在する。
✓ 4. 誤り
尿道は女性の方が長い。
男女で尿道の長短関係は逆であり、実際は男性尿道が約16〜20cmと長く、女性尿道は約3〜4cmと短い。男性尿道は前立腺部・隔膜部・海綿体部の3部からなり尿と精液を運ぶ尿生殖両用路である一方、女性尿道は尿生殖隔膜を貫いて腟前庭に直接開口し、ほぼ真っ直ぐで尿専用路として働く。女性では尿道が短く肛門に近いため大腸菌などの上行感染が起こりやすく、膀胱炎・腎盂腎炎の性差の解剖学的基盤となる。
ポイント
  • 男性尿道は約16〜20cmで尿生殖両用、女性尿道は約3〜4cmで尿専用。女性は短く直線的なため上行感染を起こしやすい。
  • 覚え方のコツ: 男は「長くて曲がる・精液も通す(前立腺→隔膜→海綿体)」、女は「短く真っ直ぐ・尿だけ」。尿道長は男女で5〜6倍差と大きいことを数字で覚える。
  • 関連知識: 腎臓・尿管・膀胱・直腸の大部分・膵臓は後腹膜器官。肝臓・胃・脾臓・小腸・横行結腸は腹腔内器官。
  • よくある間違い: 男女の尿道長を逆に記憶する/尿管開口部を「内尿道口」と混同する/女性膀胱の後方にも直腸が直接接すると誤る。
  • 臨床応用: 女性の急性単純性膀胱炎の大部分は大腸菌による上行性感染で、短い尿道が病態の解剖学的基盤。男性は前立腺肥大による尿道圧迫で尿閉・尿路感染を来しやすい。
比較表
項目 男性尿道 女性尿道
長さ 約16〜20cm 約3〜4cm
走行 S字状(前立腺部・隔膜部・海綿体部) ほぼ直線
機能 尿・精液の共通路 尿のみ
外尿道口 陰茎亀頭先端 腟前庭(陰核と腟口の間)
感染リスク 比較的低い 高い(膀胱炎になりやすい)
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題25|泌尿器について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題25|泌尿器について誤っている記述はどれか。
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