学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0383

理由で解く 解剖学

Q0383 泌尿器系

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題22
問題
膀胱について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 恥骨結合の後方に位置する。
2 男女共に後方には直腸が接する。
3 膀胱の筋は自律神経に支配される。
4 尿管口は膀胱三角の頂点をなす。
解答
正解2(男女共に後方には直腸が接する。)
解説
✗ 1.
恥骨結合の後方に位置する。
✗ 正しい。 膀胱は小骨盤腔前部、恥骨結合のすぐ後方に位置する。空虚時は小骨盤腔内にとどまるが、充満時には恥骨結合の上縁を越えて腹壁側へ膨隆し、下腹部から触知・打診できるようになる。この位置関係のため恥骨上膀胱穿刺や導尿の指標となる。
✓ 2. 誤り
男女共に後方には直腸が接する。
膀胱の背後には男性では直腸が位置し、両者の間に直腸膀胱窩(腹膜反転部)が形成される。一方、女性では膀胱と直腸の間に子宮と腟が介在し、膀胱子宮窩と直腸子宮窩(ダグラス窩)が生じる。したがって「男女共に後方は直腸」は女性の解剖を正確に表しておらず、設問の正答(=誤った選択肢)となる。
✗ 3.
膀胱の筋は自律神経に支配される。
✗ 正しい。 膀胱壁の筋層は平滑筋からなり、排尿筋と内尿道括約筋ともに自律神経支配である。副交感神経(骨盤内臓神経・S2〜S4)の興奮で排尿筋が収縮し内尿道括約筋が弛緩して排尿が起こり、交感神経(下腹神経)は逆に蓄尿に働く。
✗ 4.
尿管口は膀胱三角の頂点をなす。
✗ 正しい。 膀胱底では左右の尿管口と内尿道口が正三角形に近い頂点を形成し、これを膀胱三角と呼ぶ。尿管口はその上方2頂点、内尿道口は下方の1頂点を占める。粘膜ヒダがなく滑らかで、膀胱が充満しても伸展しない領域として他の膀胱壁と区別される。
ポイント
  • 膀胱の背後は男性=直腸、女性=子宮・腟であり、男女で後方の接触臓器が決定的に異なる。
  • 覚え方のコツ: 骨盤臓器は前→後の順で「男:膀胱→直腸」「女:膀胱→子宮・腟→直腸」。男性は2臓器、女性は3臓器と臓器数で区別する。
  • 関連知識: 女性では膀胱と子宮の間に膀胱子宮窩、直腸と子宮の間に直腸子宮窩(ダグラス窩)が形成される。直腸子宮窩は腹膜腔の最下点で、腹水・膿・出血の貯留部位として産婦人科で重要。
  • よくある間違い: 男女とも膀胱後方は直腸と一律に覚える/膀胱三角の頂点に内尿道口が含まれることを忘れて「尿管口のみ」と誤認する/膀胱筋を横紋筋と誤る。
  • 臨床応用: 子宮脱・膀胱瘤は女性で膀胱後面を支持する子宮・腟の位置関係が破綻して生じる。男性では直腸診(前立腺診)時に膀胱底と前立腺の関係も評価できる。
比較表
性別 膀胱の前方 膀胱の後方 間に介在する構造
男性 恥骨結合 直腸 直腸膀胱窩
女性 恥骨結合 子宮・腟 膀胱子宮窩/直腸子宮窩(ダグラス窩)
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題22|膀胱について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題22|膀胱について誤っている記述はどれか。
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