学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0382

理由で解く 解剖学

Q0382 泌尿器系

出典:あマ指 第1回(1993) 問題26
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 尿管は腎盤(腎盂)と膀胱とを連絡している。
2 左右の尿管の膀胱への開口部を内尿道口とよぶ。
3 膀胱括約筋は骨格筋性の随意筋である。
4 腎杯から膀胱へかけての粘膜上皮は重層扁平上皮である。
解答
正解1(尿管は腎盤(腎盂)と膀胱とを連絡している。)
解説
✓ 1. 正しい
尿管は腎盤(腎盂)と膀胱とを連絡している。
尿管は腎臓で生成された尿を腎盤(腎盂)から受け取り、後腹膜腔を下行して膀胱底に至る長さ約25〜30cmの中空管である。壁は粘膜(移行上皮)・筋層・外膜の3層からなり、筋層の周期的蠕動運動(1分間に4〜5回)によって尿が少量ずつ膀胱へ送り込まれる。経路上には3つの生理的狭窄部(腎盂尿管移行部・総腸骨動脈交差部・膀胱壁貫通部)が存在し、尿路結石の嵌頓好発部位として臨床的に重要である。
✗ 2. 誤り
左右の尿管の膀胱への開口部を内尿道口とよぶ。
左右の尿管が膀胱底に開く2つの孔は「尿管口」と呼ぶ。内尿道口は膀胱から尿道が出る出口を指す別の構造で、尿管口と内尿道口を結ぶ領域が膀胱三角である。
✗ 3. 誤り
膀胱括約筋は骨格筋性の随意筋である。
膀胱括約筋(内尿道括約筋)は膀胱の筋層が内尿道口で輪状に発達した平滑筋で、自律神経支配の不随意筋である。横紋筋性の随意筋は外尿道口付近で尿生殖隔膜を貫くところにある外尿道括約筋(尿道括約筋)で、陰部神経の支配を受ける。
✗ 4. 誤り
腎杯から膀胱へかけての粘膜上皮は重層扁平上皮である。
腎杯・腎盂・尿管・膀胱の粘膜上皮はすべて「移行上皮(尿路上皮)」である。移行上皮は内容量に応じて細胞の形と層数を変化させる伸縮性の高い上皮で、空虚時は7〜8層、充満時は2層程度の扁平細胞へと変形する。重層扁平上皮は皮膚・食道・腟・外尿道口付近の尿道末端部など摩擦を受ける部位に見られる別系統の上皮である。
ポイント
  • 尿管は腎盂と膀胱を結ぶ長さ約25〜30cmの後腹膜器官で、3生理的狭窄部(腎盂尿管移行部・総腸骨動脈交差部・膀胱壁貫通部)を持つ。
  • 覚え方のコツ: 尿路の流れは「腎杯→腎盂→尿管→膀胱→尿道」と一方向。粘膜は全経路で「移行上皮」、内括約筋は「平滑筋・不随意」、外括約筋は「横紋筋・随意」の2段構えで暗記する。
  • 関連知識: 膀胱三角は左右尿管口と内尿道口を結ぶ三角形で、粘膜ヒダがなく伸展しない平滑な領域である。
  • よくある間違い: 尿管口と内尿道口を混同する/膀胱括約筋(内尿道括約筋)を横紋筋と思い込む/尿管の粘膜を重層扁平上皮と誤答する。
  • 臨床応用: 尿路結石は3狭窄部に嵌頓しやすく、激しい側腹部痛(疝痛発作)と血尿を呈する。膀胱壁を斜めに貫く尿管の構造は尿の逆流防止弁として働き、これが破綻すると膀胱尿管逆流症(VUR)となる。
比較表
構造 上皮 筋層の性質 神経支配
尿管 移行上皮 平滑筋(蠕動運動) 自律神経
膀胱体 移行上皮 平滑筋(排尿筋) 骨盤内臓神経(副交感)・下腹神経(交感)
内尿道括約筋 移行上皮 平滑筋(不随意) 下腹神経(交感)
外尿道括約筋 移行上皮〜重層円柱 横紋筋(随意) 陰部神経(体性)
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題26|正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題26|正しいのはどれか。
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