学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ K. 腹膜 / Q0352

理由で解く 解剖学

Q0352 消化器系

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題21
問題
間膜を持たない消化器はどれか。
選択肢
1 空腸
2 直腸
3
4 肝臓
解答
正解2(直腸)
解説
✗ 1. 誤り
空腸
空腸は回腸とともに長い腸間膜を持ち、後腹壁の腸間膜根(第2腰椎左側から右腸骨窩まで斜走する約15cmの付着部)から扇状に広がって小腸を吊り下げる。腸間膜内を上腸間膜動脈・静脈・リンパ管・自律神経が走行する。
✓ 2. 正しい
直腸
直腸は骨盤腔の最下部に位置し、後方の仙骨前面に密着する消化管で、腸間膜を持たない。上部は腹膜に覆われるものの、下部は腹膜外臓器として骨盤底筋群の間を下行するのみで、可動性に乏しい。腸間膜を有するS状結腸から連続する部位で、「S状結腸間膜の終わり=直腸の始まり」と定義される。このため腸間膜が存在しないことが直腸の最大の解剖学的特徴となる。
✗ 3. 誤り
胃は大彎から大網(胃結腸間膜)が、小彎から小網(肝胃間膜・肝十二指腸間膜)が伸びており、両者とも「間膜」に相当する腹膜構造を有する。胃は腹腔内臓器で可動性に富み、肝臓・脾臓・膵臓と間膜を介して連結する。
✗ 4. 誤り
肝臓
肝臓は肝鎌状間膜により横隔膜下面と前腹壁につながれ、後方では冠状間膜と左右の三角間膜を介して横隔膜に固定される。肝十二指腸間膜内には固有肝動脈・門脈・総胆管(肝三つ組)が走行し、肝臓の重要な支持・栄養路となる。
ポイント
  • 直腸は仙骨前面に密着し、腸間膜を持たない骨盤底の消化管である。
  • 覚え方のコツ: 「間膜を持たない=固定されている=後腹壁・骨盤に張りつく臓器」と発想を固定化する。
  • 関連知識: 腸間膜がない消化管は十二指腸(一部)・上行結腸・下行結腸・直腸、腸間膜を持つのは空腸・回腸・横行結腸・S状結腸である。
  • よくある間違い: 胃や肝臓に「間膜がない」と誤答する/十二指腸と直腸の違い(十二指腸は腹膜後器官だが「間膜」とは言わない)を混同する。
  • 臨床応用: 直腸癌手術では直腸固有筋膜ごと切除する全直腸間膜切除術(TME)が標準で、これは直腸に腸間膜はないが直腸周囲の脂肪織+血管鞘を“mesorectum”と呼び郭清の指標とする。
比較表
消化管 腸間膜の有無 位置
空腸・回腸 あり(広い扇状) 腹腔内、可動性高い
横行結腸・S状結腸 あり 腹腔内、可動性高い
十二指腸(下行部〜水平部) なし 腹膜後器官
上行結腸・下行結腸 なし 後腹壁に固定
直腸 なし 仙骨前面に密着
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題21|間膜を持たない消化器はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題21|間膜を持たない消化器はどれか。
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