学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ J. 膵臓 / Q0344

理由で解く 解剖学

Q0344 消化器系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題24
問題
膵臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 骨盤腔に存在する。
2 下腸間膜動脈で栄養される。
3 膵管は十二指腸に開口する。
4 ランゲルハンス島は膵液を分泌する。
解答
正解3(膵管は十二指腸に開口する。)
解説
✗ 1. 誤り
骨盤腔に存在する。
膵臓は骨盤腔ではなく、第1・第2腰椎の前面を横走する後腹壁の臓器である。右端の膵頭はC字形の十二指腸に抱かれ、左端の膵尾は脾臓に達する。骨盤腔に位置するのは直腸・膀胱・子宮・卵巣などであり、膵臓とは高さが大きく異なる。
✗ 2. 誤り
下腸間膜動脈で栄養される。
膵臓は腹腔動脈から分枝する脾動脈・総肝動脈(膵十二指腸動脈)および上腸間膜動脈の枝によって栄養される。下腸間膜動脈は下行結腸・S状結腸・直腸上部を養う血管であり、膵臓への分枝はもたない。
✓ 3. 正しい
膵管は十二指腸に開口する。
膵臓の外分泌部でつくられた膵液は、腺房からブドウ房状の導管を経て膵臓中軸を貫く主膵管(Wirsung管)に集められる。主膵管は膵頭部で総胆管と合流し、共通の管としてファーター乳頭(大十二指腸乳頭)に開口する。開口部にはオッディ括約筋があり、食事に応じて膵液・胆汁の十二指腸への排出を調節している。副膵管(Santorini管)が存在する場合は、小十二指腸乳頭に別途開口する。つまり「膵管→十二指腸下行脚」のルートが正しい排出経路である。
✗ 4. 誤り
ランゲルハンス島は膵液を分泌する。
ランゲルハンス島は内分泌部であり、A(α)細胞がグルカゴン、B(β)細胞がインスリン、D(δ)細胞がソマトスタチンを血中に分泌する。消化酵素を含む膵液を分泌するのは外分泌部である腺房細胞であって、ランゲルハンス島と役割が逆になっている。
ポイント
  • 膵臓は外分泌部(膵液:消化酵素)と内分泌部(ランゲルハンス島:ホルモン)の二重機能を併せ持つ混合腺で、主膵管は総胆管と合流してファーター乳頭(大十二指腸乳頭)に開口する。
  • 覚え方のコツ: 「膵外=消化酵素/膵島=ホルモン」のダブル機能。出口は「主膵管+総胆管→大十二指腸乳頭/副膵管→小十二指腸乳頭」の2ルート。
  • 関連知識: 膵臓は第1・第2腰椎高に横走する後腹膜器官(腹膜後臓器)。栄養動脈は腹腔動脈(脾動脈・膵十二指腸動脈)と上腸間膜動脈。
  • よくある間違い: 膵液をランゲルハンス島が分泌すると誤解する/膵管を空腸・幽門に開口と誤る/下腸間膜動脈が膵臓を栄養すると誤る。
  • 臨床応用: 膵頭部癌では総胆管が圧迫され閉塞性黄疸を早期にきたす。オッディ括約筋機能不全や胆石嵌頓で膵液逆流が起こると急性膵炎の原因となる。
比較表
部位 膵頭 膵体 膵尾
位置 十二指腸のC字内に包まれる 脊柱前面を横走 脾臓に接する
主な構造 総胆管・主膵管合流、ファーター乳頭 主膵管が横走 ランゲルハンス島が多い
栄養動脈 膵十二指腸動脈(上・下) 脾動脈膵枝 脾動脈膵尾枝
臨床 膵頭癌→閉塞性黄疸 体部癌→背部痛 尾部癌→糖尿病発症
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題24|膵臓について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題24|膵臓について正しい記述はどれか。
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