学習トップ理由で解く 解剖学第6章 ▸ C. 受精と発生 / Q0442

理由で解く 解剖学

Q0442 生殖器系

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題25
問題
胎盤において胎児の血液と母体の血液との間で物質交換が行われるのはどこか。
選択肢
1 臍帯
2 羊膜
3 絨毛
4 脱落膜
解答
正解3(絨毛)
解説
✗ 1. 誤り
臍帯
臍帯は胎盤と胎児を連絡するヒモ状の構造で、表面は羊膜でおおわれ中を2本の臍動脈と1本の臍静脈(計3本)が通る。胎児血を胎盤へ運び、また戻す「通路」にあたり、物質交換自体が行われる場ではないため誤り。
✗ 2. 誤り
羊膜
羊膜は胚盤の外胚葉に連続する薄い膜で、中に羊水を入れて胎児を包む。クッション役や分娩時の子宮口開大に関与するが、母児間の物質交換には直接関与しないため誤り。
✓ 3. 正しい
絨毛
胎盤では、栄養膜から樹枝状に伸びた絨毛が母体の脱落膜内に掘られた絨毛間腔に浮かぶ。絨毛間腔は母体の血液(螺旋動脈から流入)で満たされ、絨毛内部には胎児由来の毛細血管ループが走る。この「絨毛」を介して母児の血液が直接混ざることなく、絨毛壁を隔てた拡散によって酸素・栄養素(母→胎児)、二酸化炭素・老廃物(胎児→母)の物質交換が行われる。したがって物質交換の場は絨毛(絨毛膜絨毛)であり、本肢が正解となる。なお若干のウイルス・薬物はこの関門を通過して胎児に影響しうる。
✗ 4. 誤り
脱落膜
脱落膜は着床部位で子宮内膜がスポンジ状に厚くなった層で、母体側の基盤となる組織である。絨毛間腔の底をつくり絨毛を受け入れる構造だが、物質交換そのものは絨毛壁を介して行われる。分娩時に胎盤とともに脱落する。物質交換の「場」ではないため誤り。
ポイント
  • 胎盤の物質交換は絨毛(絨毛膜絨毛)の壁を介して行われ、母児の血液は直接混ざらない。
  • 覚え方のコツ: 胎盤は「絨毛の海」——脱落膜が底、絨毛が枝、絨毛間腔は母体血の海、と3要素で位置づける。
  • 関連知識: 絨毛の内側は胎児毛細血管、外側は絨毛間腔(母体血)。酸素・栄養は母→胎児、CO2・老廃物は胎児→母へ拡散。臍帯は2動脈1静脈で絨毛とつながる。
  • よくある間違い: 物質交換の場を臍帯や羊膜と誤認/母児の血液が直接混ざり合うと誤解する。
  • 臨床応用: 風疹ウイルス・トキソプラズマ・梅毒・薬物は絨毛の関門を通過して胎児感染症(TORCH症候群)・催奇形性を起こす。妊娠中投薬には胎盤通過性の考慮が必須。
比較表
胎盤の構造 由来 役割
絨毛(絨毛膜絨毛) 胎児(栄養膜) 物質交換の場(壁を介す)
絨毛間腔 母体 螺旋動脈から母体血が満たす
脱落膜 母体(子宮内膜) 絨毛間腔の底、分娩時脱落
臍帯 胎児 2動脈1静脈、胎児〜胎盤を連絡
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題25|胎盤において胎児の血液と母体の血液との間で物質交換が行われるのはどこか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題25|胎盤において胎児の血液と母体の血液との間で物質交換が行われるのはどこか。
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