学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0386

理由で解く 解剖学

Q0386 泌尿器系

出典:あマ指 第5回(1997) 問題28
問題
泌尿器について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 膀胱の筋層は横紋筋からなる。
2 膀胱の上面は腹膜でおおわれる。
3 尿管は膀胱壁を貫く。
4 尿管は大腰筋の前を下行する。
解答
正解1(膀胱の筋層は横紋筋からなる。)
解説
✓ 1. 誤り
膀胱の筋層は横紋筋からなる。
膀胱の筋層は内縦・中輪・外縦の3層に走行する平滑筋(排尿筋)からなり、自律神経支配の不随意筋である。横紋筋ではない。内尿道口付近で輪走筋が発達して内尿道括約筋(膀胱括約筋)を形成するが、これも平滑筋である。横紋筋(随意筋)でできるのは外尿道括約筋のみで、尿生殖隔膜を貫く部位にあり陰部神経の支配を受ける。したがって「膀胱の筋層は横紋筋」は誤りであり、設問の正答(=誤った選択肢)となる。
✗ 2.
膀胱の上面は腹膜でおおわれる。
✗ 正しい。 膀胱は基本的に腹膜外(後腹膜)の器官であるが、膀胱頂部(上面)のみに壁側腹膜が反転して被覆し、これが男性では直腸膀胱窩、女性では膀胱子宮窩を形成する。したがって上面が腹膜で覆われるのは正しい。
✗ 3.
尿管は膀胱壁を貫く。
✗ 正しい。 尿管は膀胱底に至ると膀胱壁(特に筋層)を斜めに貫いて長い距離を走行し、粘膜直下で尿管口として開口する。この斜走部は膀胱内圧の上昇で圧平され、尿の逆流を防ぐ一方向弁として働く。
✗ 4.
尿管は大腰筋の前を下行する。
✗ 正しい。 尿管は腎盂を出ると大腰筋の前面を下行し、総腸骨動脈を越えて小骨盤に入り、膀胱底に至る。大腰筋の前を下降する走行は腹部MRI・超音波・腹腔鏡手術のランドマークである。
ポイント
  • 膀胱の筋層(排尿筋)と内尿道括約筋は平滑筋・不随意で自律神経支配。外尿道括約筋のみ横紋筋・随意で陰部神経支配。
  • 覚え方のコツ: 「膀胱=平(ひら)・外(そと)=横(よこ)」。膀胱本体と内括約筋は「平滑・平ら・副交感」、外括約筋は「横紋・外に飛び出して・陰部神経」で対比して暗記する。
  • 関連知識: 膀胱上面のみが腹膜で覆われ、下半分は腹膜外(後腹膜)。充満すると膀胱頂は腹膜とともに挙上し、恥骨結合上縁より上方に達する。
  • よくある間違い: 膀胱の筋層を横紋筋と誤る/尿管が膀胱壁を貫かないと思い込む/尿管が大腰筋の後方を走ると誤記する。
  • 臨床応用: 排尿筋過活動(過活動膀胱)・排尿筋低活動(神経因性膀胱)はいずれも自律神経病態であり、治療薬(抗コリン薬・β3作動薬)は平滑筋をターゲットとする。恥骨上穿刺は膀胱頂が腹膜外に位置する領域を選ぶ。
比較表
部位 筋の種類 神経 随意性
膀胱壁(排尿筋) 平滑筋 骨盤内臓神経(副交感)・下腹神経(交感) 不随意
内尿道括約筋 平滑筋 下腹神経(交感) 不随意
外尿道括約筋 横紋筋 陰部神経 随意
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題28|泌尿器について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題28|泌尿器について誤っている記述はどれか。
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