
この図の解説
左の顕微鏡像で最上部の暗く波打つ層が粘膜、その内面をおおうのが移行上皮である。右上の拡大像を見ると、細胞が背高く何層にも重なり、表面が丸くドーム状に膨らんでいるのがわかる。これは膀胱が収縮しているときの姿で、7〜8層の背の高い細胞が積み重なる。尿がたまり壁が伸展されると細胞は扁平になり、重なりも2層程度まで減る。移行上皮のすぐ下が粘膜固有層で、そのさらに外側で壁の大部分を占めるのが筋層である。筋層は平滑筋束が網状に錯綜し、右の3つの図が示すように内層(縦走筋)・中層(輪走筋)・外層(縦走筋)の3層構成として整理される。図で「膀胱壁は粘膜・筋層・漿膜の3層」「粘膜の上皮は移行上皮」という二つの層構成をセットで確認したい。
学習の要点
- 膀胱壁は内側から粘膜・筋層・漿膜の3層。粘膜の上皮は移行上皮で、その下に粘膜固有層がある。
- 覚え方のコツ: 移行上皮は「伸び縮みする膜」。縮むと7〜8層で背高、伸びると2層で扁平と、数字を対で覚える。
- 関連知識: 尿管の壁も粘膜・筋層・外膜の3層で粘膜は移行上皮。移行上皮は腎盂から膀胱まで尿路に共通する。
- よくある間違い: 膀胱粘膜を「重層扁平上皮」とするのは誤り。伸展時に扁平化しても移行上皮であり別種の上皮ではない。
- 臨床応用: 尿道への出口では筋層が輪状に集まり膀胱括約筋(内尿道括約筋)となり、副交感神経の興奮で膀胱壁が収縮し括約筋がゆるんで排尿が起こる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
膀胱が収縮しているとき、移行上皮は( )層の背の高い細胞の重なりからなる。空欄に入る数値を答えよ。
答えを見る
答え: 7〜8
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。