学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0146

理由で解く 解剖学

Q0146 循環器系

出典:あマ指 第5回(1997) 問題29
問題
静脈の流れについて正しいのはどれか。
選択肢
1 外頸静脈 → 腕頭静脈
2 脾静脈 → 下大静脈
3 肝静脈 → 上大静脈
4 大伏在静脈 → 大腿静脈
解答
正解4(大伏在静脈 → 大腿静脈)
解説
✗ 1. 誤り
外頸静脈 → 腕頭静脈
外頸静脈は浅頸筋膜上を斜めに下行して鎖骨下静脈に注ぐ。腕頭静脈に合流するのは内頸静脈と鎖骨下静脈であり、外頸静脈は直接腕頭静脈には注がない。外頸静脈は顔面浅部の血液を、内頸静脈は脳・硬膜静脈洞の血液をそれぞれ集めるという働きの違いもある。
✗ 2. 誤り
脾静脈 → 下大静脈
脾静脈は膵臓後面を右走し、上腸間膜静脈と合流して門脈を形成する。門脈は肝臓で類洞を通ったのち肝静脈として下大静脈に注ぐ経路をとり、脾静脈が直接下大静脈に合流することはない。肝で一度毛細血管を経由する点が門脈系の特徴である。
✗ 3. 誤り
肝静脈 → 上大静脈
肝静脈は肝臓後上面で直接下大静脈に注ぎ込み、横隔膜の大静脈孔を通って右心房に到達する。上大静脈は上半身の静脈血(頭頸部・上肢・胸壁)を集める静脈本幹であり、横隔膜より下の腹部臓器である肝臓の還流先とはならない。
✓ 4. 正しい
大伏在静脈 → 大腿静脈
大伏在静脈は足背静脈網の内側端から起こり、下腿・大腿の内側皮下を上行して鼠径部の伏在裂孔から大腿静脈に注ぐ、人体で最も長い皮静脈である。下肢内側の皮静脈血を集めて深部静脈へ流す重要な経路で、冠動脈バイパス術や下肢静脈瘤の手術で頻用される。小伏在静脈が下腿後面を上行して膝窩静脈に注ぐ経路と対をなす。
ポイント
  • 主要な静脈合流の基本形:内頸静脈+鎖骨下静脈=腕頭静脈、左右腕頭静脈=上大静脈、脾静脈+上腸間膜静脈=門脈。
  • 覚え方のコツ: 外頸=皮下→鎖骨下、内頸=深部→腕頭、と「深さで行き先が違う」と整理。
  • 関連知識: 大伏在静脈は下肢内側の長い皮静脈、小伏在静脈は下腿後面の短い皮静脈で膝窩静脈に注ぐ。
  • よくある間違い: 外頸静脈が腕頭静脈に注ぐと誤記憶する/肝静脈と門脈の還流方向を逆転させる。
  • 臨床応用: 大伏在静脈は冠動脈バイパス術の移植血管として頻用され、下肢静脈瘤の治療ではストリッピング術の対象となる。
比較表
静脈 注ぐ先
外頸静脈 鎖骨下静脈
内頸静脈 腕頭静脈(鎖骨下静脈と合流)
脾静脈 門脈(上腸間膜静脈と合流)
肝静脈 下大静脈(直接)
大伏在静脈 大腿静脈(鼠径部で)
小伏在静脈 膝窩静脈
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題29|静脈の流れについて正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題29|静脈の流れについて正しいのはどれか。
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