学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0145

理由で解く 解剖学

Q0145 循環器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題27
問題
静脈が門脈系に注ぐ臓器はどれか。
選択肢
1 脾臓
2 腎臓
3 副腎
4 子宮
解答
正解1(脾臓)
解説
✓ 1. 正しい
脾臓
脾臓で古くなった赤血球が破壊されると、ヘモグロビンの分解産物であるビリルビンが脾静脈へ流入する。脾静脈は膵臓の後方を右走し、上腸間膜静脈と合流して門脈を形成するため、脾臓からの静脈血は直接門脈系へ注ぐ。肝臓へ運ばれたビリルビンは胆汁色素として胆汁に排出される。
✗ 2. 誤り
腎臓
腎臓からの静脈血は左右の腎静脈に集まり、腹大動脈の両側を走って下大静脈に直接注ぎ込む。腎臓は門脈系に含まれない体循環系の静脈還流をとる臓器であり、血液は肝臓を経由せず直接右心房へ戻る。
✗ 3. 誤り
副腎
副腎の静脈血は右副腎静脈が直接下大静脈に、左副腎静脈は左腎静脈を経て下大静脈に注ぐ。副腎から分泌されるカテコールアミンやコルチゾールは門脈を経由せず体循環に入り、全身へ素早く作用する経路をとる。
✗ 4. 誤り
子宮
子宮の静脈は骨盤腔で子宮静脈叢を形成し、内腸骨静脈を経て総腸骨静脈から下大静脈へ還流する。子宮は骨盤内臓であり門脈系の流域には含まれない。門脈系は基本的に胃腸・膵臓・脾臓という消化管および付属腺の静脈を集める系である。
ポイント
  • 門脈系に流入するのは消化管(食道下部〜直腸上部)・膵臓・脾臓・胆嚢などの腹腔内臓器である。
  • 覚え方のコツ: 「胃・腸・膵・脾は門脈へ」「腎・副腎・性腺・子宮は下大静脈へ」の2グループで整理する。
  • 関連知識: 門脈は上腸間膜静脈+脾静脈(+下腸間膜静脈)が合流し形成、肝で類洞を経て肝静脈→下大静脈へ流れる二重毛細血管系。
  • よくある間違い: 腎臓や副腎を門脈系に含めてしまう/脾臓を免疫器官とのみ捉え門脈系に寄与する点を見落とす。
  • 臨床応用: 脾機能亢進症や脾静脈血栓症では門脈圧亢進症を引き起こし、食道静脈瘤や脾腫の原因となる。
比較表
臓器 静脈還流先 系統
脾臓 脾静脈 → 門脈 門脈系
胃・小腸・大腸 上腸間膜/下腸間膜/胃静脈 → 門脈 門脈系
膵臓 膵静脈 → 脾/上腸間膜静脈 門脈系
腎臓・副腎 腎静脈 → 下大静脈 体循環
子宮 子宮静脈叢 → 内腸骨静脈 体循環
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題27|静脈が門脈系に注ぐ臓器はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題27|静脈が門脈系に注ぐ臓器はどれか。
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