学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0369

理由で解く 解剖学

Q0369 泌尿器系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題25
問題
腎小体について誤っているのはどれか。
選択肢
1 腎臓の皮質に存在する。
2 糸球体とボーマン嚢からなる。
3 尿細管とあわせてネフロンと呼ぶ。
4 血管極から輸出細静脈が出る。
解答
正解4(血管極から輸出細静脈が出る。)
解説
✗ 1.
腎臓の皮質に存在する。
✗ 正しい。 「腎臓の皮質に存在する」は正しい。腎小体は腎の表層にあたる皮質に散在する直径約0.2mmの球状小体で、片腎あたり約100万個分布する。腎錐体のある髄質には存在しない。皮質が赤褐色に見えるのはこの腎小体(毛細血管塊)を多く含むためである。
✗ 2.
糸球体とボーマン嚢からなる。
✗ 正しい。 「糸球体とボーマン嚢からなる」は正しい。糸球体は輸入細動脈が分枝して形成する毛細血管の糸玉で、それを二重の上皮性の袋であるボウマン嚢(内葉=足細胞、外葉=単層扁平上皮)が包み込んだ構造が腎小体である。糸球体で濾過された原尿はボウマン嚢内腔に受け止められ、尿管極から尿細管へ流れる。
✗ 3.
尿細管とあわせてネフロンと呼ぶ。
✗ 正しい。 「尿細管と合わせてネフロンと呼ぶ」は正しい。ネフロンは腎臓の機能的最小単位で、腎小体(糸球体+ボウマン嚢)+尿細管(近位尿細管→ヘンレループ→遠位尿細管)の組み合わせをいう。集合管はネフロンには含めない。片腎に約100万個のネフロンがあり、濾過・再吸収・分泌を担う。
✓ 4. 誤り
血管極から輸出細静脈が出る。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。血管極から出るのは「輸出細静脈」ではなく「輸出細動脈」である。腎小体の血管極には小葉間動脈から分かれた輸入細動脈が入り、糸球体毛細血管を形成したのち再び輸出細動脈として糸球体を出る。毛細血管を動脈で挟む「奇網(wonder net)」の構造をとるため、糸球体内圧が高く保たれ、濾過が効率的に行われる。輸出細動脈はさらに尿細管周囲毛細血管網を形成した後に静脈系へ合流する。
ポイント
  • 糸球体への入口・出口はいずれも「動脈」(輸入細動脈・輸出細動脈)。毛細血管を動脈で挟む奇網構造が高濾過圧の源。
  • 覚え方のコツ: 糸球体は「動→毛→動」の奇網。体循環の一般則「動→毛→静」と対比して暗記する。
  • 関連知識: 輸出細動脈はさらに尿細管周囲毛細血管網を形成し、ここで再吸収された物質が静脈へ回収される。これが第二の毛細血管網。
  • よくある間違い: 輸出「細動脈」を「細静脈」と取り違える/ネフロンに集合管を含めてしまう/腎小体が髄質にあると誤認する。
  • 臨床応用: 糸球体腎炎や糖尿病性腎症では濾過膜(足細胞・基底膜・内皮)が傷害され血尿・蛋白尿を呈する。輸出細動脈はアンジオテンシンIIに強く収縮するため、ACE阻害薬は糸球体内圧を下げ腎保護に働く。
比較表
血管名 場所 性質
輸入細動脈 血管極から糸球体へ入る 動脈
糸球体 腎小体内部 毛細血管の塊(糸玉)
輸出細動脈 血管極から糸球体を出る 動脈(静脈ではない)
尿細管周囲毛細血管網 尿細管を取り囲む 毛細血管(第二の毛細血管網)
小葉間静脈 皮質内を下行 静脈
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題25|腎小体について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題25|腎小体について誤っているのはどれか。
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