学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0336

理由で解く 解剖学

Q0336 消化器系

出典:あマ指 第17回(2009) 問題24
問題
肝臓について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 後面は下大静脈に接する。
2 胆嚢は方形葉と左葉との間にある。
3 肝鎌状間膜で右葉と左葉に区分される。
4 肝門を門脈が通る。
解答
正解2(胆嚢は方形葉と左葉との間にある。)
解説
✗ 1.
後面は下大静脈に接する。
✗ 正しい。 正しい記述。肝臓の後面には下大静脈溝があり、下大静脈が密着して走行する。肝臓後面でこの溝に沿って左・中・右の3本の肝静脈が下大静脈に注ぐため、肝後面と下大静脈は密接な解剖学的関係にある。
✓ 2. 誤り
胆嚢は方形葉と左葉との間にある。
これが誤りで本問の答え。胆嚢は方形葉と「右葉」との間、すなわち肝下面の胆嚢窩に収まる。左葉は肝鎌状間膜より左側に位置しており、胆嚢とは直接の位置関係がない。肝下面ではH字状の溝の前方右側に胆嚢窩があり、胆嚢窩の左が肝円索裂・その左が肝円索、右が右葉の前部となる。胆嚢底は右肋骨弓と腹直筋が交わる付近(Murphy圧痛点)で体表に接する。
✗ 3.
肝鎌状間膜で右葉と左葉に区分される。
✗ 正しい。 正しい記述。肝鎌状間膜は肝前上面から前腹壁・横隔膜に縦走する腹膜ヒダで、その付着線を境界として肝臓は右葉と左葉に区分される。自由縁には胎生期の臍静脈の遺残である肝円索が含まれる。
✗ 4.
肝門を門脈が通る。
✗ 正しい。 正しい記述。肝門は肝下面中央のH字状溝の横線部にあたり、固有肝動脈・門脈・肝管(+神経・リンパ管)の3要素が出入りする。これらは小網の自由縁である肝十二指腸間膜に包まれて走行する。
ポイント
  • 胆嚢は肝下面の「方形葉と右葉の間」の胆嚢窩に位置する。左葉とは接しない。
  • 覚え方のコツ: 「肝下面のH字: 縦棒は左に肝円索裂+静脈管索裂、右に胆嚢窩+下大静脈溝、横棒が肝門」。胆嚢は右の縦棒の前半と覚える。
  • 関連知識: 胆嚢底の体表投影はMurphy圧痛点(右鎖骨中線と第9肋軟骨の交点、ほぼ右肋骨弓と腹直筋外側縁の交差部)。急性胆嚢炎の圧痛・吸気停止(Murphy徴候)の指標。
  • よくある間違い: 胆嚢の位置を「左葉側」と勘違いしやすいが、胆嚢は右葉と方形葉の間(右側)。肝の内部構造(方形葉・尾状葉)は機能的には左葉だが、位置的には下面中央寄りである点と混同しない。
  • 臨床応用: 胆嚢摘出術(腹腔鏡下胆嚢摘出術)では胆嚢管・胆嚢動脈・総肝管で形成されるCalot三角を同定し、胆嚢動脈と胆嚢管を切離する。胆管損傷を避けるための必須操作。
比較表
肝下面H字の部位 含まれる構造
左縦溝(前半) 肝円索裂(肝円索=臍静脈遺残)
左縦溝(後半) 静脈管索裂(静脈管遺残)
右縦溝(前半) 胆嚢窩(胆嚢)
右縦溝(後半) 下大静脈溝
横溝 肝門(動脈・門脈・胆管)
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題24|肝臓について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題24|肝臓について誤っている記述はどれか。
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