学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0334

理由で解く 解剖学

Q0334 消化器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題24
問題
肝臓について正しい記述はどれか。
選択肢
1 上面は横隔膜に接する。
2 腹腔の左上腹部にある。
3 左葉は右葉より大きい。
4 肝静脈は肝門を通る。
解答
正解1(上面は横隔膜に接する。)
解説
✓ 1. 正しい
上面は横隔膜に接する。
肝臓の上面は横隔面と呼ばれ、横隔膜のドーム状下面に密着する。呼吸運動に伴い肝臓は横隔膜とともに上下に移動する。横隔膜を介して上方には胸膜腔・右肺下葉・心膜(主に右室下面)が位置し、肝膿瘍の横隔膜下や胸腔への波及経路となる。冠状間膜に挟まれた無漿膜野では肝と横隔膜が結合組織で直接連絡する。
✗ 2. 誤り
腹腔の左上腹部にある。
左右が逆。肝臓は腹腔上部の「右側」に偏って位置し、右肋骨弓の下に収まる。成人で体表から触れる下縁は右肋骨弓下縁に一致する。左上腹部には胃・脾・膵尾・左結腸曲などが存在する。
✗ 3. 誤り
左葉は右葉より大きい。
関係が逆。肝臓は肝鎌状間膜を境に厚く大きい右葉と薄く小さい左葉に分けられ、右葉が左葉よりはるかに大きい(肝全体の約2/3)。体重約1,200gの肝の大部分を右葉が占める。
✗ 4. 誤り
肝静脈は肝門を通る。
肝静脈は肝門ではなく肝後面から直接下大静脈に注ぐ。肝門を通るのは固有肝動脈・門脈・肝管の3要素で、これらは小網の自由縁(肝十二指腸間膜)に包まれて走行する。
ポイント
  • 肝臓は腹腔右上に偏位し、横隔面(上面)が横隔膜に、臓側面(下面)が胃・十二指腸・横行結腸・右腎などに接する。
  • 覚え方のコツ: 「肝は右、心は左、横隔膜が天井」。肝臓の位置は右季肋部、天井は横隔膜、床は十二指腸・右腎、と3階建てでイメージする。
  • 関連知識: 肝上縁は第5〜6肋間の高さ、下縁は右肋骨弓の下に位置し、深呼吸時には肋骨弓下から触知可能となる。
  • よくある間違い: 「肝臓は左上腹部」「右葉より左葉が大きい」と左右・大小を取り違えがち。肝は右、右葉が大と合わせて覚える。
  • 臨床応用: 肝と横隔膜・右肺の隣接関係から、肝膿瘍・横隔膜下膿瘍は右胸水や右肺底部の無気肺、肩への放散痛(C3-5領域)の原因となる。
比較表
接する主な構造
横隔面(上面) 横隔膜(介して右肺・心膜・右胸膜腔)
臓側面(下面・右葉) 十二指腸・横行結腸・右腎・右副腎・胆嚢
臓側面(下面・左葉) 胃の前面(胃印)・腹部食道
後面 下大静脈・無漿膜野で横隔膜と直接接着
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題24|肝臓について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題24|肝臓について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手