学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0333

理由で解く 解剖学

Q0333 消化器系

出典:あマ指 第8回(2000) 問題26
問題
肝臓の肝門を通らないのはどれか。
選択肢
1 門脈
2 固有肝動脈
3 肝管
4 肝静脈
解答
正解4(肝静脈)
解説
✗ 1.
門脈
✗ 正しい。 門脈は肝門を通る。消化管・脾・膵からの静脈血を集め、肝門で固有肝動脈・肝管とともに肝臓内部に入り、肝小葉で小葉間静脈として分布する。肝臓血流の約7割を占め、栄養物質を肝へ運搬する。
✗ 2.
固有肝動脈
✗ 正しい。 固有肝動脈は肝門を通る。腹腔動脈から分岐した総肝動脈の枝で、酸素に富む動脈血を肝臓に供給する。肝門で左右に分かれ小葉間動脈として肝小葉に至り、類洞で門脈血と混合される。
✗ 3.
肝管
✗ 正しい。 肝管(総肝管)は肝門を通る。肝臓内で作られた胆汁が小葉間胆管から集まり左右肝管→総肝管として肝門より流出する。肝門通過後に胆嚢管と合流して総胆管となり十二指腸に開口する。
✓ 4. 誤り
肝静脈
これが正解。肝静脈は肝門ではなく、肝臓後面から直接下大静脈に注ぐ。肝小葉の中心静脈が集まり左・中・右の3本の肝静脈となって下大静脈に流入する。肝門を通るのは固有肝動脈・門脈・肝管の「3要素」であり、肝静脈は含まれない点が頻出論点である。試験では「肝静脈=肝の血管だから肝門を通る」という誤認を狙った典型的な引っ掛け問題となっている。
ポイント
  • 肝門3要素=固有肝動脈・門脈・肝管(+神経・リンパ管)。肝静脈は肝後面から下大静脈に直接注ぎ、肝門は通らない。
  • 覚え方のコツ: 「肝門は動・門・管の3本入り、肝静脈は裏口から下大静脈へ直行」。下面H字の真ん中が肝門、後面の溝が下大静脈と覚える。
  • 関連知識: 肝門3要素は小網の自由縁(肝十二指腸間膜)を走行する。その後方にある網嚢孔(Winslow孔)を介して網嚢(小網嚢)に通じる。
  • よくある間違い: 「肝管」と「肝静脈」の名称が似ているため混同しやすい。肝管は胆汁を運ぶ管で肝門を通り、肝静脈は血液を運ぶ血管で肝後面から下大静脈に出る。
  • 臨床応用: 肝切除時、肝門部で動脈・門脈・胆管を確保してからそれぞれ処理する。Pringle法では肝十二指腸間膜を鉗子で把持して一時的に肝血流を遮断するが、肝静脈からの下大静脈側の出血は止められない。
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題26|肝臓の肝門を通らないのはどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題26|肝臓の肝門を通らないのはどれか。
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