学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ G. 大腸 / Q0313

理由で解く 解剖学

Q0313 消化器系

出典:あマ指 第8回(2000) 問題27
問題
消化管の部位で間膜を持たないのはどれか。
選択肢
1 空腸
2 回腸
3 上行結腸
4 横行結腸
解答
正解3(上行結腸)
解説
✗ 1.
空腸
✗ 正しい。 空腸は回腸とともに小腸間膜によって後腹壁から吊り下げられ、腸間膜を有する。腸間膜内を上腸間膜動静脈の分枝が走行し、空腸は十二指腸空腸曲以下の上部2/5を占める。
✗ 2.
回腸
✗ 正しい。 回腸も空腸と連続する小腸の下部3/5で、共通の小腸間膜に包まれ可動性が大きい。末端部は盲腸に開口し回盲弁を形成する。腸間膜を持つため「間膜を持たない」には該当しない。
✓ 3. 誤り
上行結腸
上行結腸は盲腸に続き腹腔の右側を垂直に上行する長さ約20cmの結腸で、後腹壁に半ば埋まるように固定される。腸間膜はもたず、腹膜に覆われるのは前面と両側面のみの後腹膜器官に分類される。可動性は乏しく、肝彎曲で横行結腸に移行する。発生学的に一度もっていた腸間膜が胎児期に後腹壁と癒着し消失したため、成人では腸間膜を欠く。したがって「間膜を持たない」消化管として本選択肢が解答となる。
✗ 4.
横行結腸
✗ 正しい。 横行結腸は胃の大弯に沿って右から左へ横走する長さ約50cmの部分で、横行結腸間膜によって後腹壁から吊るされ可動性が大きい。同様にS状結腸も腸間膜をもつが、上行・下行結腸は後腹膜固定で腸間膜を欠く。
ポイント
  • 結腸のうち上行結腸と下行結腸は後腹膜固定で腸間膜をもたず、横行結腸とS状結腸は腸間膜をもって可動性が大きい。
  • 覚え方のコツ: 「たて(上行・下行)は固定、よこ(横行)とS字(S状)は動く」。縦走する部位は後腹壁に貼りつき、横走・湾曲する部位は間膜で吊るされる。
  • 関連知識: 小腸(空腸・回腸)は小腸間膜、横行結腸は横行結腸間膜、S状結腸はS状結腸間膜をもつ。十二指腸は二次的に後腹膜固定となった。
  • よくある間違い: 4つの結腸がすべて腸間膜をもつと誤解する/上行結腸と横行結腸を取り違える/小腸がすべて腸間膜をもつことと混同して結腸も同様と決めつける。
  • 臨床応用: 腸間膜をもつ部位は腸捻転が起こりやすく、S状結腸捻転は高齢者で頻度が高い。後腹膜固定の結腸は損傷時に後腹膜血腫や膿瘍を形成する。
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題27|消化管の部位で間膜を持たないのはどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題27|消化管の部位で間膜を持たないのはどれか。
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