
この図の解説
横行結腸を持ち上げ、その下に広がる腸を露出させた腹腔の図。左半分では空腸・回腸のとぐろが腸間膜からぶら下がり、右半分では腸をどけて後腹壁に張りついた腸間膜根が扇の要のように斜めに走る。腸間膜根は十二指腸空腸曲(第2腰椎の左)から右腸骨窩へ向かい、そのわずか15cmの付着線から扇状に広がった腸間膜が長い空腸・回腸を吊り下げる。右上には横行結腸とその横行結腸間膜、外側には自由ヒモの走る結腸が見える。下行結腸は後腹壁に埋もれて動かないのに対し、S状結腸は再び間膜を得て骨盤内へ弧を描く。図の要点は「腸間膜を持って自由に動く腸」と「後腹壁に固定された部分」の対比にある。
学習の要点
- 腸間膜を持つ消化管は空腸・回腸・横行結腸・S状結腸の4つで、いずれも移動性に富む。
- 覚え方のコツ: 腹膜内臓器「胃・空・回・横・S・脾・卵巣・卵管」のうち“腸”の4つが腸間膜を持つ。上行・下行結腸は仲間外れで後腹壁に半ば埋まる。
- 関連知識: 十二指腸・膵臓・上行結腸・下行結腸は前面だけが腹膜におおわれ後面が後腹壁に張りつく腹膜後臓器。腎臓・副腎は脂肪に包まれ後腹壁に埋まる。
- よくある間違い: 上行結腸・下行結腸を「腸間膜あり」と誤認しやすい。横行結腸・S状結腸だけが腸間膜を持つ。
- 臨床応用: 移動性の高い腸間膜部(空腸・回腸・S状結腸)は捻れて腸捻転を起こしやすく、触診でも位置が一定しない。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
腸間膜が後腹壁に付着する線を( )といい、第2腰椎の左側から右腸骨窩へ斜走する約15cmの短い線である。
答えを見る
答え: 腸間膜根
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。