学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ K. 腹膜 / Q0354

理由で解く 解剖学

Q0354 消化器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題23
問題
腸間膜を有しないのはどれか。
選択肢
1 十二指腸
2 空腸
3 回腸
4 横行結腸
解答
正解1(十二指腸)
解説
✓ 1. 誤り
十二指腸
十二指腸は胃の幽門に続く長さ約25cmのC字形の消化管で、膵頭を取り囲みながら後腹壁に癒着し、腹膜後器官として固定される。胎生期には背側腸間膜を持つが発生過程で後腹壁と癒着し、成人では腸間膜を持たない。そのため可動性に乏しく、大十二指腸乳頭の位置が一定に保たれて総胆管・主膵管の開口部として機能する。十二指腸空腸曲以降は腸間膜を有する空腸となる。
✗ 2.
空腸
✗ 正しい。 空腸は長い腸間膜を持ち、第2腰椎の左側から右腸骨窩に斜走する約15cmの腸間膜根から扇状に広がる。腸間膜内には上腸間膜動脈・静脈、リンパ管、自律神経が走行し、空腸を吊り下げて可動性に富む腹腔内臓器として機能させる。
✗ 3.
回腸
✗ 正しい。 回腸も空腸と同じ腸間膜で吊り下げられ、腹腔内を曲がりくねって走る。小腸全体の後3/5を占め、右下腹部で回盲口から大腸(盲腸)に移行する。腸間膜は一続きで空腸から回腸末端まで連続的に吊り支えを担っている。
✗ 4.
横行結腸
✗ 正しい。 横行結腸は横行結腸間膜という独自の腸間膜を持ち、後腹壁(膵臓前面付近)から前方に伸びて大腸を吊り支える可動性の高い腹腔内臓器である。同じ結腸でも上行結腸・下行結腸は後腹壁に癒着して腸間膜を持たない点と区別する必要がある。
ポイント
  • 十二指腸は後腹壁に癒着し腸間膜を持たない腹膜後器官である。
  • 覚え方のコツ: 「動かない=腸間膜なし」と直感的に結びつけ、十二指腸・上行結腸・下行結腸・直腸をグループで覚える。
  • 関連知識: 腸間膜を持つのは空腸・回腸・横行結腸・S状結腸、持たないのは十二指腸・上行結腸・下行結腸・直腸である。
  • よくある間違い: 横行結腸を「後腹壁にある=腸間膜なし」と誤答する/空腸・回腸と十二指腸の違いを混同する。
  • 臨床応用: 腸間膜を持つ小腸は捻転・腸重積など可動性に伴う病態を起こしやすく、十二指腸は腹膜後のため外傷での膵損傷と同時に後腹膜血腫を形成する。
比較表
消化管 腸間膜
十二指腸 なし(腹膜後器官)
空腸・回腸 あり(広い扇状)
上行結腸・下行結腸 なし(後腹壁癒着)
横行結腸 あり(横行結腸間膜)
S状結腸 あり
直腸 なし
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題23|腸間膜を有しないのはどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題23|腸間膜を有しないのはどれか。
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