学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ K. 腹膜 / Q0355

理由で解く 解剖学

Q0355 消化器系

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題21
問題
腹膜後臓器はどれか。
選択肢
1 S 状結腸
2 回腸
3 肝臓
4 膵臓
解答
正解4(膵臓)
解説
✗ 1. 誤り
S 状結腸
S状結腸はS状結腸間膜を持ち、可動性に富む腹膜内臓器である。腹膜に包まれて腸間膜(間膜)でぶら下がる形式で、腹膜後臓器ではない。
✗ 2. 誤り
回腸
回腸は腸間膜を持つ腹膜内臓器で、後腹壁に腸間膜根で接続するが臓器自体は腹腔内を自由に動く。腹膜後臓器ではない。空腸も同様に腹膜内臓器である。
✗ 3. 誤り
肝臓
肝臓は右上腹部(右季肋部〜心窩部)に位置する最大の実質臓器で、無漿膜野を除く大部分が腹膜(漿膜)に覆われ、肝円索・肝冠状間膜・左右三角間膜・肝十二指腸間膜・肝胃間膜などの腹膜ヒダで固定される腹膜内臓器である。腹膜後臓器ではない。
✓ 4. 正しい
膵臓
膵臓は胃の後方、第1〜2腰椎の前面を横走する細長い実質臓器で、後腹壁に癒着して後腹膜腔に位置する典型的な腹膜後臓器である。膵頭は十二指腸のC字弯曲に囲まれ、膵尾は脾臓に達する。腹膜後臓器の代表例には十二指腸(球部以下)・膵臓・腎臓・副腎・尿管・腹部大動脈・下大静脈があり、また発生学的には腸間膜が後腹壁に癒着した二次性腹膜後臓器(上行結腸・下行結腸・膵臓)も含まれる。本肢の膵臓が正解である。
ポイント
  • 膵臓は後腹壁に癒着する典型的な腹膜後臓器(二次性)。膵頭は十二指腸C字に囲まれ膵尾は脾臓に達する。
  • 覚え方のコツ: 腹膜後臓器の語呂「SAD PUCKER」=Suprarenal(副腎), Aorta/IVC, Duodenum(2・3・4部), Pancreas(膵), Ureters(尿管), Colon(上行・下行), Kidneys(腎), Esophagus(腹部), Rectum(直腸下部)。
  • 関連知識: 腹膜内臓器(腸間膜あり)は胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・脾臓・肝臓。十二指腸・膵臓・腎臓・副腎・尿管は腹膜後臓器。
  • よくある間違い: 肝臓・S状結腸・横行結腸を腹膜後と誤認/十二指腸球部(1部)を腹膜後と混同(球部は腹膜内)。
  • 臨床応用: 急性膵炎は膵臓の後腹膜的位置から後腹膜腔へ浸出液が広がり、腰背部痛や Grey Turner 徴候(側腹部斑)を呈する。膵癌は早期発見が困難で、十二指腸・総胆管への浸潤で閉塞性黄疸を起こす。
比較表
臓器 腹膜内/腹膜後 間膜
S状結腸 腹膜内 S状結腸間膜あり
回腸・空腸 腹膜内 腸間膜あり
肝臓 腹膜内(無漿膜野を除く) 肝冠状間膜・三角間膜など
膵臓 腹膜後(二次性) なし(後腹壁に癒着)
十二指腸 球部は腹膜内、2〜4部は腹膜後 第1部以外は後腹壁に固定
腎臓・副腎・尿管 腹膜後 なし
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題21|腹膜後臓器はどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題21|腹膜後臓器はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手