学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0329

理由で解く 解剖学

Q0329 消化器系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題20
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 胆汁は胆嚢で産生される。
2 グリソン鞘には動脈・静脈・胆管の三つ組がみられる。
3 膵管は胆管と合流し大十二指腸乳頭に開口する。
4 肝静脈は上大静脈に開口する。
解答
正解2(グリソン鞘には動脈・静脈・胆管の三つ組がみられる。)
解説
✗ 1. 誤り
胆汁は胆嚢で産生される。
胆汁は肝細胞で産生され、毛細胆管→小葉間胆管→左右肝管→総肝管を経て胆嚢管に入り、胆嚢で濃縮・貯蔵される。胆嚢は胆汁を生成する器官ではなく、食物摂取刺激でコレシストキニンが分泌されると収縮し、濃縮された胆汁を総胆管へ送り出す貯蔵・濃縮臓器である。
✓ 2. 正しい
グリソン鞘には動脈・静脈・胆管の三つ組がみられる。
グリソン鞘(小葉間結合組織)は肝小葉の角に位置する結合組織の鞘で、固有肝動脈の枝である小葉間動脈、門脈の枝である小葉間静脈、胆汁を運ぶ小葉間胆管の三つが走行する。これを肝三つ組(portal triad)と呼び、肝臓へ入る血管系と肝臓から出る胆道系が共に束ねられて肝小葉内へ分布する。肝中心静脈は小葉の中心にあり、この三つ組には含まれない点が対比のポイントとなる。
✗ 3. 誤り
膵管は胆管と合流し大十二指腸乳頭に開口する。
主膵管と総胆管は十二指腸壁内でファーター膨大部をなし大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口するが、本問では「胆管」という広い表現と開口経路の表現が厳密でないため、解剖学的記述として最良とはされない。多くの場合、副膵管が存在すれば小十二指腸乳頭に別開口するため「膵管=胆管と合流」とだけ述べる表現は不完全と判断される。
✗ 4. 誤り
肝静脈は上大静脈に開口する。
肝静脈は肝中心静脈が集まってできる3本(右・中・左肝静脈)の静脈で、肝臓後上面から出て直ちに下大静脈へ開口する。右心房に戻る静脈のうち下半身領域は下大静脈、上半身領域は上大静脈を経由するため、横隔膜下の腹部臓器血は原則として下大静脈に集まる。
ポイント
  • グリソン鞘には小葉間動脈・小葉間静脈・小葉間胆管の三つ組(肝三つ組)が走る。
  • 覚え方のコツ: 「ポータルトライアド=動・静・胆の3本」と唱え、中心静脈は別物(出口側)と切り分ける。
  • 関連知識: 胆汁は肝細胞で産生され胆嚢で濃縮される。肝静脈は下大静脈へ、膵管・総胆管は大十二指腸乳頭に合流開口する。
  • よくある間違い: 「胆嚢で胆汁産生」と勘違いする/肝静脈を上大静脈につなげる/中心静脈を三つ組に含めてしまう。
  • 臨床応用: 肝小葉の配置を理解すると、ウイルス性肝炎で門脈域(ポータルトライアド周囲)に炎症細胞浸潤がみられる所見を読み解きやすい。
比較表
構造 小葉内の位置 含まれる管
グリソン鞘(門脈域) 小葉の角 小葉間動脈・小葉間静脈・小葉間胆管
中心静脈 小葉の中心 血液が集まり肝静脈へ
類洞 肝細胞索の間 動脈血+門脈血の混合血
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題20|正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題20|正しいのはどれか。
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