学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ E. 胃 / Q0292

理由で解く 解剖学

Q0292 消化器系

出典:あマ指 第27回(2019) 問題22
問題
胃について正しいのはどれか。
選択肢
1 入り口は幽門である。
2 脾動脈の枝が分布する。
3 胃底は横行結腸に接する。
4 最外層に斜走する筋がみられる。
解答
正解2(脾動脈の枝が分布する。)
解説
✗ 1. 誤り
入り口は幽門である。
胃の入り口は食道から胃へ移行する部分で噴門と呼ばれる。幽門は胃から十二指腸へ出る出口の名称であり、入口と出口の対応を逆に覚えてはならない。「噴門=入口(食道接続)/幽門=出口(十二指腸接続)」が正しい対応である。
✓ 2. 正しい
脾動脈の枝が分布する。
胃は腹腔動脈から分岐する3本の動脈(左胃動脈・総肝動脈・脾動脈)から枝を受けて栄養される。このうち脾動脈は膵臓の上縁を左走行して脾臓に向かう途中で、胃底に分布する短胃動脈と、大弯側を右に走る左胃大網動脈を分枝する。左胃大網動脈は胃十二指腸動脈から分岐する右胃大網動脈と大弯側で吻合し、胃の大弯に沿った動脈弓を形成する。したがって脾動脈の枝が胃に分布するという記述は正しい。胃の血管支配は「腹腔動脈の3分枝がすべて関与する(左胃動脈・総肝動脈・脾動脈)」と覚える。
✗ 3. 誤り
胃底は横行結腸に接する。
胃底はドーム状に上方へ膨れた部分で、左横隔膜の直下に位置し、脾臓や左腎上極とも近接する。横行結腸と胃をつなぐのは大弯であり、胃結腸間膜(大網の一部)を介して関係する。胃底と横行結腸は直接接していない。
✗ 4. 誤り
最外層に斜走する筋がみられる。
胃の筋層は外から縦走筋・輪走筋・斜走筋の3層構造で、斜走筋は最内層に存在する。最外層にあるのは縦走筋である。斜走筋は胃特有の層で、食物の撹拌と粥状化に寄与する。
ポイント
  • 胃は腹腔動脈の3分枝(左胃動脈・総肝動脈・脾動脈)すべてから枝を受けて栄養され、脾動脈からは短胃動脈と左胃大網動脈が分岐する。
  • 覚え方のコツ: 「胃の血管は腹腔動脈の3兄弟全員が担当」と記憶。左胃=小弯上部、総肝→右胃・右胃大網、脾→短胃・左胃大網で小弯・大弯それぞれに動脈弓を形成。
  • 関連知識: 胃の筋層は最内から斜走筋→輪走筋→縦走筋の3層。入口は噴門、出口は幽門で、幽門には輪走筋肥厚による幽門括約筋がある。
  • よくある間違い: 入口と出口(噴門と幽門)を逆に覚える/胃底が横行結腸に接すると誤解/斜走筋の位置(最内層)を最外層と誤認する。
  • 臨床応用: 胃全摘術では腹腔動脈の3分枝に沿ってリンパ節郭清を行う。脾動脈の枝である短胃動脈は脾摘時に結紮対象となり、胃底部の血流確保を考慮する必要がある。
比較表
動脈 起始 主な分布
左胃動脈 腹腔動脈直接分枝 小弯上部
右胃動脈 総肝動脈(固有肝動脈)の枝 小弯下部
右胃大網動脈 胃十二指腸動脈の枝 大弯下部
左胃大網動脈 脾動脈の枝 大弯上部
短胃動脈 脾動脈の枝 胃底
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題22|胃について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題22|胃について正しいのはどれか。
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