学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ E. 胃 / Q0291

理由で解く 解剖学

Q0291 消化器系

出典:あマ指 第26回(2018) 問題22
問題
胃について正しいのはどれか。
選択肢
1 噴門には括約筋がある。
2 小弯は肝臓に接する。
3 大弯には大綱が付着する。
4 最内層の筋は輪走筋である。
解答
正解3(大弯には大綱が付着する。)
解説
✗ 1. 誤り
噴門には括約筋がある。
噴門部には明瞭な輪走筋肥厚による解剖学的括約筋はない。食道下端の下部食道括約筋(機能的括約帯)、横隔膜脚の締め付け、His角などが協調して機能的に逆流を防いでいる。輪走筋が肥厚した解剖学的括約筋は幽門に存在する。
✗ 2. 誤り
小弯は肝臓に接する。
小弯と肝臓の間には小網(肝胃間膜・肝十二指腸間膜)が張られており、両者は直接接触しているわけではない。小網という腹膜ヒダを介して小弯から肝臓の肝門へとつながる関係である。接触ではなく腹膜による連絡である点が要点である。
✓ 3. 正しい
大弯には大綱が付着する。
大網(大綱)は胃の大弯側で前面と後面をおおう腹膜が合して形成され、前掛けのように腹部内臓の前面に垂れ下がり、折れ返って上昇し横行結腸に付着し、さらに横行結腸間膜に癒合しながら後腹壁に終わる。大網は脂肪組織を多く含み、腹腔内の炎症や穿孔部を包み込むように移動して感染の拡大を防ぐ「腹腔の警察官」とも呼ばれる機能を持つ。胃の大弯と横行結腸をつなぐ胃結腸間膜は大網の一部を構成する。胃間膜の関係は「小弯→小網→肝臓/大弯→大網→横行結腸」と整理して記憶する。
✗ 4. 誤り
最内層の筋は輪走筋である。
胃の筋層は平滑筋からなり、外層から縦走筋・輪走筋に加えて最内層に斜走筋が存在する3層構造をとる。消化管の多くは内層輪走筋・外層縦走筋の2層だが、胃は斜走筋が内側に加わる点が特徴である。したがって最内層は輪走筋ではなく斜走筋である。
ポイント
  • 大網は胃の大弯から前掛け状に垂れ下がり横行結腸に付着する胃間膜で、胃の大弯側に付着する。
  • 覚え方のコツ: 「大弯→大網→横行結腸」「小弯→小網→肝臓」の2ラインを形と対応で記憶。大きいものは下へ垂れる、小さいものは上へ張る。
  • 関連知識: 胃の筋層は外から縦走筋・輪走筋・斜走筋の3層構造で、斜走筋が最内層にある点が消化管他部位と異なる。幽門では輪走筋が肥厚し幽門括約筋を形成。
  • よくある間違い: 大網と小網の付着部位を取り違える/噴門に明確な括約筋があると誤認/胃の最内層を輪走筋と誤解する(正しくは斜走筋)。
  • 臨床応用: 大網は腹腔内感染巣や穿孔部を包み込み感染拡大を防ぐ。腹膜炎や虫垂炎で大網が患部に癒着する「腹腔の警察官」としての機能は臨床で重要である。
比較表
胃の筋層 層位置 走行
縦走筋 外層 縦方向(長軸方向)
輪走筋 中層 輪状(幽門で肥厚→幽門括約筋)
斜走筋 最内層 斜走、胃特有の筋
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題22|胃について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題22|胃について正しいのはどれか。
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