学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0374

理由で解く 解剖学

Q0374 泌尿器系

出典:あマ指 第26回(2018) 問題23
問題
腎臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 腎皮質の突出は腎乳頭をつくる。
2 糸球体は毛細血管が集まったものである。
3 尿細管と集合管を合わせてネフロンという。
4 傍糸球体細胞からエリスロポエチンが分泌される。
解答
正解2(糸球体は毛細血管が集まったものである。)
解説
✗ 1. 誤り
腎皮質の突出は腎乳頭をつくる。
「腎皮質の突出は腎乳頭をつくる」は誤り。腎乳頭をつくるのは「腎皮質」ではなく「腎錐体(髄質)」の先端である。髄質の腎錐体が丸みを帯びて腎洞側(内側)に突出したものが腎乳頭であり、腎杯に受けられる。皮質のうち腎錐体の間に入り込んだ部分は「腎柱」と呼び、髄質に向かって突出するが乳頭は形成しない。
✓ 2. 正しい
糸球体は毛細血管が集まったものである。
本選択肢が設問の正しい記述で、正答となる。糸球体は輸入細動脈が腎小体の血管極から入った後、複数回に分岐して形成する毛細血管の糸玉状集合体である。毛細血管同士は吻合を作りながら房状に集まり、再び集合して輸出細動脈として血管極から出る。毛細血管を「動脈」(輸入・輸出細動脈)で挟む奇網(wonder net)構造をとることで糸球体内圧が高く保たれ、血漿成分の濾過に必要な静水圧差(有効濾過圧)が生み出される。1日あたり約180リットルもの原尿が濾過されるが、そのほとんどは尿細管で再吸収され、最終尿は1〜2リットル程度となる。
✗ 3. 誤り
尿細管と集合管を合わせてネフロンという。
「尿細管と集合管を合わせてネフロン」は誤り。ネフロンは「腎小体(糸球体+ボウマン嚢)+尿細管(近位・ヘンレ・遠位)」の組合せで、集合管は含まない。集合管は複数のネフロンから遠位尿細管の尿を集める共通の管で、発生学的にも尿管芽由来である。
✗ 4. 誤り
傍糸球体細胞からエリスロポエチンが分泌される。
「傍糸球体細胞からエリスロポエチンが分泌される」は誤り。傍糸球体細胞から分泌されるのはレニンである。エリスロポエチンは腎の尿細管周囲の線維芽細胞様細胞(皮質〜外髄質の間質細胞)で産生される糖蛋白ホルモンで、低酸素刺激により分泌され骨髄赤芽球に作用して赤血球産生を促進する。慢性腎不全では産生低下により腎性貧血を起こす。
ポイント
  • 糸球体=毛細血管の糸玉。輸入・輸出ともに「動脈」で挟む奇網構造をとり、濾過圧を高く維持する。
  • 覚え方のコツ: 「糸球体は動脈サンドイッチ」と覚える。皮質の突出は「柱」、髄質の突出は「乳頭」と対で暗記。
  • 関連知識: 腎のホルモン3本柱は「レニン(傍糸球体細胞)・エリスロポエチン(間質線維芽細胞)・活性型ビタミンD(近位尿細管で1α水酸化)」。
  • よくある間違い: 腎乳頭と腎柱を逆に覚える/集合管をネフロンに含める/傍糸球体細胞分泌物をエリスロポエチンやアルドステロンと誤認。
  • 臨床応用: 慢性腎不全では糸球体濾過量低下と同時にエリスロポエチン産生低下で腎性貧血を生じ、遺伝子組換え型エリスロポエチン製剤(ESA)で治療する。
比較表
部位 皮質由来 髄質由来
皮質 表層、腎小体を含む
腎柱 皮質が髄質間に突出
腎錐体 髄質の本体、8〜12個
腎乳頭 腎錐体の先端、腎杯へ突出
糸球体 皮質内に散在
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題23|腎臓について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題23|腎臓について正しいのはどれか。
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