学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0373

理由で解く 解剖学

Q0373 泌尿器系

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題22
問題
腎臓について誤っているのはどれか。
選択肢
1 脂肪被膜で包まれる。
2 右腎は左腎より低い。
3 腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる。
4 傍糸球体細胞からアルドステロンが分泌される。
解答
正解4(傍糸球体細胞からアルドステロンが分泌される。)
解説
✗ 1.
脂肪被膜で包まれる。
✗ 正しい。 「脂肪被膜で包まれる」は正しい。腎臓は薄い線維性の腎被膜に包まれ、その外側を脂肪被膜(腎脂肪体)が厚く取り囲み、さらにその外側を膜状の腎筋膜(ゲロタ筋膜)が包む三重構造をなす。脂肪被膜が腎を衝撃から保護し、腎筋膜は上方で横隔膜と連続するため腎は呼吸に同期して上下動する。
✗ 2.
右腎は左腎より低い。
✗ 正しい。 「右腎は左腎より低い」は正しい。腎臓の上端は第12胸椎、下端は第3腰椎付近にあるが、右腎は上方に肝臓の大きな右葉が乗るため、左腎より約1/2椎体分低い位置になる。左腎の上方にも副腎はあるが肝臓ほどの容量はないため、左腎がやや高く位置する。
✗ 3.
腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる。
✗ 正しい。 「腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる」は正しい。腎小体は糸球体(輸入細動脈由来の毛細血管の糸玉)と、それを二重に取り囲むボウマン嚢(内葉=足細胞、外葉=単層扁平上皮)から構成される球状構造で、片腎あたり約100万個が皮質に散在する。
✓ 4. 誤り
傍糸球体細胞からアルドステロンが分泌される。
本選択肢が設問の誤りで、正答となる。傍糸球体細胞から分泌されるのは「アルドステロン」ではなく「レニン」である。傍糸球体細胞は輸入細動脈の平滑筋細胞が分化した内分泌性細胞で、血圧低下や遠位尿細管(緻密斑)の低Na感知を受けてレニンを分泌する。レニンは血漿中のアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIへ変換し、これが肺のACEでアンジオテンシンIIとなり、副腎皮質球状帯からアルドステロンを分泌させる。つまりアルドステロンは傍糸球体細胞ではなく副腎皮質から分泌されるホルモンであり、レニンはその上流に位置するカスケードの出発点である。
ポイント
  • 傍糸球体装置は「傍糸球体細胞(レニン分泌)+緻密斑(Na感知)+糸球体外メサンギウム細胞」の3要素。分泌するのはレニン。
  • 覚え方のコツ: RAA系は「レニン(腎)→アンジオテンシンII(肺)→アルドステロン(副腎)」の3臓器ダイヤグラムで描いて暗記。
  • 関連知識: 緻密斑は遠位尿細管が輸入細動脈に接する部位にある背の高い細胞群で、尿中Naを感知して傍糸球体細胞へフィードバックする(管球フィードバック)。
  • よくある間違い: 傍糸球体細胞からの分泌をアルドステロンと誤答/レニンを副腎ホルモンと誤認/右腎と左腎の高さを逆に覚える。
  • 臨床応用: 腎血管性高血圧ではレニン分泌亢進→アンジオテンシンII増加→高血圧を引き起こす。ACE阻害薬・ARBはこの経路を遮断する主要降圧薬。アルドステロン症(コン症候群)は副腎腺腫が原因。
比較表
ホルモン 分泌源 主な作用
レニン 傍糸球体細胞(腎・輸入細動脈) アンジオテンシノーゲン→Ⅰに変換
アンジオテンシンⅡ 血漿(肺のACEで生成) 血管収縮・アルドステロン分泌促進
アルドステロン 副腎皮質球状帯 遠位尿細管・集合管でNa再吸収・K排泄
バゾプレッシン 下垂体後葉 集合管で水再吸収
エリスロポエチン 腎(尿細管周囲線維芽細胞) 骨髄で赤血球産生促進
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題22|腎臓について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題22|腎臓について誤っているのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手