学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0269

理由で解く 解剖学

Q0269 消化器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題21
問題
舌の分界溝の前に一列に並ぶのはどれか。
選択肢
1 糸状乳頭
2 茸状乳頭
3 有郭乳頭
4 葉状乳頭
解答
正解3(有郭乳頭)
解説
✗ 1. 誤り
糸状乳頭
糸状乳頭は舌背全体に密生する円錐状の小突起で、上皮が角化し舌表面をざらつかせる。機械的な「なめる」役割を担い、味蕾を持たない。舌背一面に広がる乳頭であり、分界溝の前に一列に並ぶ構造ではないため本問の答えではない。
✗ 2. 誤り
茸状乳頭
茸状乳頭は糸状乳頭の間に散在する丸みを帯びた乳頭で、上皮が角化しないため桃赤色に見える。味蕾を有するが、配列は「散在」であり一列に並ぶわけではない。舌尖や舌体前部に多く、本問の答えではない。
✓ 3. 正しい
有郭乳頭
有郭乳頭は舌根寄りの分界溝のすぐ前にV字状に8~12個が一列に並ぶ大型の乳頭で、個々の乳頭が深い輪状の溝で囲まれる点から「有郭」と呼ばれる。側面の上皮には多数の味蕾があり、味物質は味孔から侵入して味細胞を刺激する。味覚は舌咽神経(Ⅸ)が伝える。4種の舌乳頭の中で分界溝前に一列に並ぶのは有郭乳頭のみであり、本問の正解となる。
✗ 4. 誤り
葉状乳頭
葉状乳頭は舌体後部の側面にあり、垂直に走る数条の粘膜ヒダとして観察される。味蕾を側面に持つがヒトでは発達が悪く、ウサギなど他の動物で顕著である。側面にヒダ状に並ぶ配列で、分界溝前に一列に並ぶ構造ではない。
ポイント
  • 分界溝前にV字状一列に並ぶのは有郭乳頭(8~12個)。味蕾を豊富に持ち、味覚を舌咽神経に伝える。
  • 覚え方のコツ: 乳頭の分布は「糸=全面、茸=散在、有郭=V字一列、葉=側面ヒダ」と位置で区別。味蕾の分布は「有郭・葉・茸状」の3種にある(糸状のみ味蕾なし)。
  • 関連知識: 分界溝は舌体と舌根の境で、頂点の舌盲孔(甲状舌管の原基の痕跡)から左右後外方へ広がるV字の溝。
  • よくある間違い: 茸状乳頭と有郭乳頭を入れ替える/糸状乳頭に味蕾があると誤解/葉状乳頭の位置を舌根と誤認する。
  • 臨床応用: 舌盲孔周辺は甲状舌管嚢胞(正中頸部嚢胞)の発生起点。舌乳頭の萎縮による舌炎は鉄欠乏性貧血(Plummer-Vinson症候群)で特徴的である。
比較表
舌乳頭 分布 味蕾 上皮の角化 外観
糸状乳頭 舌背全体に密生 なし あり 白っぽくざらざら
茸状乳頭 糸状乳頭の間に散在 あり なし 丸く桃赤色
有郭乳頭 分界溝前に一列(8~12個) あり(側面に多数) なし 大型・深い溝で囲まれる
葉状乳頭 舌体後部側面 あり なし 垂直ヒダ状(ヒトでは未発達)
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題21|舌の分界溝の前に一列に並ぶのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題21|舌の分界溝の前に一列に並ぶのはどれか。
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