学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0645

理由で解く 解剖学

Q0645 神経系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題20
問題
梨状筋下孔を通らないのはどれか。
選択肢
1 上殿動脈
2 内陰部動脈
3 陰部神経
4 坐骨神経
解答
正解1(上殿動脈)
解説
✓ 1. 誤り
上殿動脈
上殿動脈は内腸骨動脈から分岐し、梨状筋の上縁と大坐骨切痕の間の「梨状筋上孔」を通って殿部に出る。中殿筋・小殿筋・大殿筋の上部を栄養する。上殿神経もほぼ同じ経路を走行する。したがって梨状筋下孔ではなく上孔を通過する。
✗ 2.
内陰部動脈
✗ 正しい。 内陰部動脈は内腸骨動脈の終枝で、梨状筋下孔から骨盤外に出たのち坐骨棘を回って小坐骨孔から再び坐骨直腸窩へ入る。外陰部と会陰部の主要な栄養動脈で、陰部神経と並走する。
✗ 3.
陰部神経
✗ 正しい。 陰部神経(S2-S4)は仙骨神経叢下部から起こり、梨状筋下孔を通って一旦骨盤外に出たのち、坐骨棘を回り込んで小坐骨孔から会陰部へ入る。梨状筋下孔の代表的な通過構造である。
✗ 4.
坐骨神経
✗ 正しい。 坐骨神経(L4-S3)は仙骨神経叢最大の枝で、梨状筋下孔を通って骨盤から殿部へ出る。大腿後面を下行し、ハムストリングスを支配したのち膝窩上方で脛骨神経と総腓骨神経に分岐する。
ポイント
  • 梨状筋上孔は上殿神経・上殿動静脈のみが通る狭い通路。梨状筋下孔はそれ以外の殿部・会陰部へ向かう主要構造の通過口。
  • 覚え方のコツ: 「上孔=上殿(上限定)、下孔=坐骨・下殿・陰部・後大腿皮神経・内陰部」と分けて覚える。
  • 関連知識: 筋注時は上後腸骨棘と大転子を結ぶ線の外上1/4(梨状筋より上の殿筋領域)が安全域で、坐骨神経損傷を避ける解剖学的根拠となる。
  • よくある間違い: 上殿動脈・上殿神経を梨状筋下孔と誤って覚える/陰部神経を梨状筋上孔と誤る。
  • 臨床応用: 梨状筋症候群では梨状筋下孔で坐骨神経が絞扼され、殿部痛と下肢放散痛を呈する。内陰部動脈・陰部神経周囲のブロックは会陰部麻酔として用いられる。
比較表
通路 通過する構造
梨状筋上孔 上殿神経・上殿動静脈
梨状筋下孔 坐骨神経・下殿神経・下殿動静脈・後大腿皮神経・陰部神経・内陰部動静脈
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題20|梨状筋下孔を通らないのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題20|梨状筋下孔を通らないのはどれか。
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