学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ Q. 頭頸部の体表・局所解剖 / Q1070

理由で解く 解剖学

Q1070 運動器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題19
問題
斜角筋隙形成に関与しないのはどれか。
選択肢
1 第1 肋間
2 前斜角筋
3 中斜角筋
4 後斜角筋
解答
正解4(後斜角筋)
解説
✗ 1.
第1 肋間
✗ 正しい。 ここでは第1肋骨(肋骨上面)が斜角筋隙の下方境界(床)を形成するものとして、肋間的な第1肋骨領域を指して関与と判定される。厳密には「第1肋骨」が隙間の床で、前斜角筋と中斜角筋の停止部の間に三角形の隙間ができる。
✗ 2.
前斜角筋
✗ 正しい。 前斜角筋は頸椎横突起前結節から起こり第1肋骨の斜角筋結節に停止し、斜角筋隙の前壁を形成する。その前面には横隔神経が下行する。
✗ 3.
中斜角筋
✗ 正しい。 中斜角筋は頸椎横突起後結節から起こり第1肋骨(斜角筋結節の後方)に停止する。前斜角筋とともに斜角筋隙の後壁を形成し、その間を腕神経叢と鎖骨下動脈が通る。
✓ 4. 誤り
後斜角筋
後斜角筋は頸椎下位(C4〜6)の横突起後結節から起こり、前・中斜角筋と異なり「第2肋骨」に停止する。斜角筋隙は前・中斜角筋と第1肋骨で囲まれる隙間(三角形)であり、第2肋骨に停止する後斜角筋はこの隙間の形成には一切関与しない。後斜角筋は肋骨の挙上(第2肋骨の挙上)と頸部側屈に働き、前・中斜角筋とは停止する肋骨が異なる点で明確に区別される。「斜角筋3兄弟のうち、隙を作るのは前と中だけ」と覚えると確実。腕神経叢と鎖骨下動脈がこの隙間を通過するため、斜角筋症候群(緊張による絞扼)は胸郭出口症候群の病型として臨床上重要である。
ポイント
  • 斜角筋隙を作るのは前斜角筋+中斜角筋+第1肋骨の3要素。後斜角筋は第2肋骨に停止するため関与しない。
  • 覚え方のコツ: 「前と中だけが1肋骨停止、後だけ2肋骨停止」。隙間を通るのは「神経+動脈」=腕神経叢と鎖骨下動脈。
  • 関連知識: 鎖骨下静脈は前斜角筋の前方を通るため斜角筋隙を通らない。横隔神経は前斜角筋の前面を下行する。
  • よくある間違い: 後斜角筋も隙間に関与すると暗記/鎖骨下静脈も隙間を通ると誤解。
  • 臨床応用: 斜角筋症候群(前・中斜角筋の緊張)で腕神経叢と鎖骨下動脈が絞扼されると、上肢のしびれ・痛み・脱力・脈拍減弱が生じる。鍼灸で斜角筋への治療は肩こり・頸肩腕症候群にしばしば適応。
比較表
斜角筋 起始 停止 斜角筋隙への関与
前斜角筋 C3-6横突起前結節 第1肋骨斜角筋結節 前壁
中斜角筋 C2-7横突起後結節 第1肋骨(結節後方) 後壁
後斜角筋 C4-6横突起後結節 第2肋骨 関与なし
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題19|斜角筋隙形成に関与しないのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題19|斜角筋隙形成に関与しないのはどれか。
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