学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0268

理由で解く 解剖学

Q0268 消化器系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題22
問題
口腔内器官で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 顎下腺管は口腔前庭に開口する。
2 口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。
3 小臼歯は乳白歯に代わって生える。
4 舌扁桃は分界溝の後方にある。
解答
正解1(顎下腺管は口腔前庭に開口する。)
解説
✓ 1. 誤り
顎下腺管は口腔前庭に開口する。
顎下腺管(ワルトン管)は顎下腺から出て、口腔底を前内方へ走り、舌の下面にある舌下小丘という乳頭状の隆起に開口する。したがって「口腔前庭に開口する」という記述は誤りで、正しくは「固有口腔の口腔底(舌下小丘)に開口する」となる。口腔前庭に開口するのは耳下腺管(ステンセン管)である。この取り違えが本肢が設問の誤答として選ばれる根拠であり、唾液腺3対のうち口腔前庭に開口するのは耳下腺のみ、顎下腺・舌下腺は固有口腔(舌下小丘・舌下ヒダ)に開口する配置を押さえる。
✗ 2.
口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。
✗ 正しい。 口腔は食物の咀嚼と嚥下の入口であり機械的刺激が強いため、粘膜上皮は重層扁平上皮で覆われる。食道・肛門管も同様に重層扁平上皮であり、胃以下の分泌・吸収を担う部位は単層円柱上皮となる。記述は正しく、設問の誤答には該当しない。
✗ 3.
小臼歯は乳白歯に代わって生える。
✗ 正しい。 小臼歯(第1・第2小臼歯、計8本)は乳歯列の乳白歯(乳臼歯)が脱落した位置に代わって萌出する永久歯であり、記述は発生学的に正しい。大臼歯に相当する乳歯は存在せず、第1大臼歯は6歳頃に乳歯の後方に新たに萌出する。設問の誤答には該当しない。
✗ 4.
舌扁桃は分界溝の後方にある。
✗ 正しい。 舌扁桃は舌根部粘膜にみられるリンパ組織で、舌体との境である分界溝(V字形の溝)より後方に位置する。口蓋扁桃・咽頭扁桃・耳管扁桃とともにワルダイエルの咽頭輪を構成する。記述は正しく、設問の誤答には該当しない。
ポイント
  • 顎下腺管は舌下小丘(固有口腔の口腔底)に開口する。口腔前庭に開口するのは耳下腺管だけである。
  • 覚え方のコツ: 「前庭=耳下、底=顎下・舌下」。口腔は歯列弓より外側=口腔前庭、内側=固有口腔。耳下腺だけが前庭側へ導管を送る。
  • 関連知識: 耳下腺管は上顎第2大臼歯に面する頬粘膜に開口(ステンセン管)、顎下腺管は舌下小丘(ワルトン管)、舌下腺は舌下小丘および舌下ヒダへ開く。
  • よくある間違い: 顎下腺管を頬粘膜側と誤認/舌扁桃の位置を分界溝より前と逆転/大臼歯に相当する乳歯があると誤解。
  • 臨床応用: 唾石症は顎下腺管に最多で、食事時に顎下部が腫れて痛む。粘性が高い混合腺の分泌と、口腔底を上行する長い走行がリスクを高める。
比較表
唾液腺 導管名 開口部位 口腔区分
耳下腺 ステンセン管 上顎第2大臼歯対側の頬粘膜 口腔前庭
顎下腺 ワルトン管 舌下小丘 固有口腔(口腔底)
舌下腺 バルトリン管+多数の小管 舌下小丘・舌下ヒダ 固有口腔(口腔底)
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題22|口腔内器官で誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題22|口腔内器官で誤っている記述はどれか。
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