学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ I. 胆嚢 / Q0343

理由で解く 解剖学

Q0343 消化器系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題23
問題
胆汁の流れが一方向でないのはどれか。
選択肢
1 小葉間胆管
2 肝 管
3 胆嚢管
4 総胆管
解答
正解3(胆嚢管)
解説
✗ 1.
小葉間胆管
✗ 正しい。 小葉間胆管は肝小葉間を走る細い胆管で、肝細胞で産生された胆汁を毛細胆管から集めて下流へ送る。肝内胆管系の一部として胆汁は常に上流(肝細胞)から下流(左右肝管)へ一方向に流れ、逆流は起こらない。
✗ 2.
肝 管
✗ 正しい。 肝管(左右肝管および総肝管)は肝臓から出た胆汁を集めて下方(総胆管方向)へ運ぶ管で、胆汁は常に肝臓から胆嚢・十二指腸方向へ一方向に流れる。逆流は起こらない経路である。
✓ 3. 誤り
胆嚢管
胆嚢管は胆嚢頸部と総肝管を連絡する管で、食間期(オッディ括約筋閉鎖時)には肝臓から分泌された胆汁が総肝管→胆嚢管→胆嚢と逆方向(貯蔵方向)に流れて胆嚢に貯えられる。食事摂取時にはコレシストキニンの刺激で胆嚢が収縮し、胆汁は胆嚢→胆嚢管→総胆管→ファーター乳頭と順方向(排出方向)に流れて十二指腸に至る。このように胆嚢管は胆汁が時期によって双方向に流れる唯一の胆道経路であり、本問の「一方向でない」に該当する正解となる。胆嚢管内にはHeister弁(ヒダ状の粘膜)があり、胆嚢内圧の過度の上昇を防ぎつつ双方向流を許容する構造となっている。
✗ 4.
総胆管
✗ 正しい。 総胆管は総肝管と胆嚢管が合流してできた管で、胆汁はすべてファーター乳頭方向(十二指腸方向)へ一方向に流れる。オッディ括約筋の開閉で流量は調節されるが、方向は常に一定で逆流は病的状態でのみ生じる。
ポイント
  • 胆嚢管のみ胆汁が双方向に流れる(食間期:肝→胆嚢へ貯蔵/食事時:胆嚢→十二指腸へ排出)。他の胆道は一方向。
  • 覚え方のコツ: 「胆嚢管=貯蔵と排出の両方向」「その他の胆管(肝・総肝・総胆・小葉間)=常に下流へ」。オッディ括約筋の状態で方向が決まる。
  • 関連知識: 胆嚢管内のHeister弁(螺旋ヒダ)は胆嚢内圧の調整と結石嵌頓の部位として重要。胆嚢収縮はCCK(コレシストキニン)刺激で起こる。
  • よくある間違い: 総胆管が双方向と誤認/小葉間胆管で逆流ありと誤解/胆汁を胆嚢が生成と混同(胆嚢は貯蔵・濃縮のみ)。
  • 臨床応用: 胆嚢管結石(Mirizzi症候群)は胆嚢管への結石嵌頓で総肝管を圧迫し閉塞性黄疸を起こす。腹腔鏡下胆嚢摘出術では胆嚢管のクリッピングが必須手技。
比較表
胆道部位 胆汁の流れ方向 制御機構
小葉間胆管・肝管 一方向(肝臓→総肝管) 解剖学的な流れのみ
総肝管 一方向(下流へ) 解剖学的な流れのみ
胆嚢管 双方向(貯蔵時:上→胆嚢/排出時:胆嚢→下) オッディ括約筋の開閉+胆嚢収縮
総胆管 一方向(ファーター乳頭へ) オッディ括約筋で流量調節
ファーター乳頭 一方向(十二指腸へ) オッディ括約筋が逆流防止
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題23|胆汁の流れが一方向でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題23|胆汁の流れが一方向でないのはどれか。
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