学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ I. 胆嚢 / Q0342

理由で解く 解剖学

Q0342 消化器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題21
問題
胆汁の流路で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 肝管は肝門を通る。
2 肝管と胆嚢管とが合流して総胆管となる。
3 総胆管は胃の前を通る。
4 総胆管は十二指腸に開口する。
解答
正解3(総胆管は胃の前を通る。)
解説
✗ 1.
肝管は肝門を通る。
✗ 正しい。 正しい記述。肝内の小葉間胆管→左右肝管と集まり、左右肝管が合流した総肝管(肝管)は肝門から流出する。肝門では固有肝動脈・門脈とともに小網の自由縁(肝十二指腸間膜)内を下行する。
✗ 2.
肝管と胆嚢管とが合流して総胆管となる。
✗ 正しい。 正しい記述。肝管(正確には総肝管)と胆嚢管が合流して総胆管となる。総胆管は肝十二指腸間膜内を下行し、膵頭の後方を通って十二指腸下行部の大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)で膵管と合流して開口する。
✓ 3. 誤り
総胆管は胃の前を通る。
これが誤りで本問の答え。総胆管は胃の前ではなく、肝十二指腸間膜内を下行し、十二指腸上部(球部)の後方から膵頭の後面を通って十二指腸下行部の大十二指腸乳頭に開口する。胃の前面(腹部前面)を通ることはなく、胃の後方〜膵頭の背側を走行する解剖学的位置関係を正確に押さえる必要がある。胆管膵管合流部にはオッディ括約筋があり、胆汁の間欠的排出を調節する。
✗ 4.
総胆管は十二指腸に開口する。
✗ 正しい。 正しい記述。総胆管は膵頭を通過したあと、十二指腸下行部の後内側で膵管と合流し、大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)で十二指腸内腔に開口する。開口部にはオッディ括約筋が存在し、胆汁・膵液の排出を調節している。
ポイント
  • 胆汁の流路: 毛細胆管→小葉間胆管→左右肝管→総肝管→(胆嚢管合流)→総胆管→大十二指腸乳頭(オッディ括約筋)→十二指腸下行部。
  • 覚え方のコツ: 「肝→総肝→(胆嚢から胆嚢管合流)→総胆管→ファーター乳頭」と管の名前を前から順に辿り、胆嚢は貯蔵タンクとして途中合流すると覚える。
  • 関連知識: 総胆管は膵頭の後面で膵管と合流して「肝膵管膨大部(ファーター膨大部)」を形成し、大十二指腸乳頭に開口する。開口部のオッディ括約筋はコレシストキニン(CCK)で弛緩する。
  • よくある間違い: 総胆管は腹腔前面ではなく、小網→膵頭後方を背側寄りに走る。「胃の前を通る」は解剖学的に不正確で、胃の後ろ・膵頭の裏と覚える。
  • 臨床応用: 膵頭癌は総胆管を圧排するため早期から閉塞性黄疸・灰白色便・無痛性胆嚢腫大(Courvoisier徴候)を呈しうる。胆石が大十二指腸乳頭に嵌頓すると急性胆管炎(シャルコー3徴)を起こす。
比較表
胆汁流路の順序 部位
①毛細胆管 肝細胞索間
②小葉間胆管 グリソン鞘
③左右肝管 肝内
④総肝管 肝門〜肝十二指腸間膜上部
⑤総胆管 胆嚢管合流後〜膵頭後方
⑥大十二指腸乳頭 十二指腸下行部(オッディ括約筋)
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題21|胆汁の流路で誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題21|胆汁の流路で誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手