学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ D. 肺・胸膜・縦隔 / Q0246

理由で解く 解剖学

Q0246 呼吸器系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題36
問題
縦隔について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 左右の肺の間の空間である。
2 後方には脊柱がある。
3 縦隔には心臓がある。
4 縦隔には肝臓がある。
解答
正解4(縦隔には肝臓がある。)
解説
✗ 1.
左右の肺の間の空間である。
✗ 正しい。 縦隔は左右の肺(および壁側胸膜の縦隔胸膜)に挟まれた胸郭中央の空間で、前方は胸骨、後方は胸椎、上方は胸郭上口、下方は横隔膜で区画される。左右の肺の間の領域という認識は正しい。
✗ 2.
後方には脊柱がある。
✗ 正しい。 縦隔の後方境界は胸椎(Th1〜Th12)であり、後縦隔には脊柱に沿って下行大動脈・食道・胸管・奇静脈・交感神経幹などが走行する。脊柱が後壁をなす点は正しい記述である。
✗ 3.
縦隔には心臓がある。
✗ 正しい。 心臓は心膜に包まれて下縦隔のうち中縦隔に位置する。縦隔は胸骨角(第2肋軟骨)の高さで上・下に分けられ、下縦隔はさらに前・中・後に区分され、中縦隔の主内容物が心臓と心膜である。したがって縦隔に心臓があるという記述は正しい。
✓ 4. 誤り
縦隔には肝臓がある。
肝臓は縦隔ではなく横隔膜より下の腹腔(右上腹部)に位置する腹腔臓器である。縦隔と肝臓の間は横隔膜によって隔てられており、両者を連続した空間と捉えるのは誤りである。縦隔の主な内容物は心臓・大血管(大動脈弓・上大静脈・肺動静脈)・気管・気管支・食道・胸腺・胸管・迷走神経・横隔神経など、呼吸・循環・消化管(胸部)に関わる臓器である。肝臓は後腹膜に半分埋もれた腹腔内臓器で、右横隔下面と接するが縦隔の構成要素ではない。
ポイント
  • 縦隔は左右肺に挟まれ、前方胸骨・後方脊柱・上方胸郭上口・下方横隔膜で囲まれた胸腔中央の空間。心臓・大血管・気管・食道・胸腺などを含むが、肝臓は横隔膜下の腹腔臓器であり含まれない。
  • 覚え方のコツ: 縦隔の境界は「前胸骨・後脊柱・両側肺・上胸郭上口・下横隔膜」と6面で囲む箱で覚える。下縦隔3区分「前・中・後」は「胸腺・心臓・食道」の順に並ぶと覚える(胸腺→心臓→食道大動脈)。
  • 関連知識: 縦隔は胸骨角(Th4/5レベル)を通る水平面で上・下縦隔に、下縦隔はさらに心膜を基準に前縦隔・中縦隔・後縦隔に区分。食道と下行大動脈は後縦隔、心臓は中縦隔、胸腺は上・前縦隔。
  • よくある間違い: 肝臓を縦隔に含めてしまう(横隔膜下で腹腔臓器)/心臓を前縦隔と誤答する(正解は中縦隔)/食道を前縦隔や中縦隔と混同する(正解は後縦隔)。
  • 臨床応用: 縦隔腫瘍は発生部位で鑑別診断が絞られ、前縦隔は胸腺腫・胚細胞腫瘍・甲状腺腫、中縦隔はリンパ腫・気管支嚢胞、後縦隔は神経原性腫瘍が典型的。縦隔気腫や縦隔炎は気道・食道穿孔で起こる緊急疾患である。
比較表
区分 主な内容物
上縦隔 胸腺・大動脈弓・腕頭静脈・上大静脈上部・気管・食道上部・胸管・迷走神経・横隔神経
前縦隔 胸腺下端・リンパ節・疎性結合組織
中縦隔 心臓・心膜・上行大動脈・肺動脈幹・上大静脈下部・主気管支・肺動静脈・横隔神経
後縦隔 下行大動脈・食道(胸部)・奇静脈・半奇静脈・胸管・迷走神経・交感神経幹
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題36|縦隔について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題36|縦隔について誤っている記述はどれか。
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