学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0625

理由で解く 解剖学

Q0625 神経系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題37
問題
坐骨神経が通る孔はどれか。
選択肢
1 棘孔
2 梨状筋下孔
3 閉鎖孔
4 筋裂孔
解答
正解2(梨状筋下孔)
解説
✗ 1. 誤り
棘孔
棘孔は蝶形骨大翼にある小さな骨孔で、頭蓋底の中頭蓋窩と外頭蓋底を連絡し、中硬膜動脈と下顎神経の硬膜枝が通過する。骨盤や下肢には全く関係しない頭蓋骨の孔であり、坐骨神経の通り道ではない。
✓ 2. 正しい
梨状筋下孔
梨状筋下孔は大坐骨孔のうち梨状筋の下方部分で、坐骨神経(L4-S3)が通過する主要経路である。同時に下殿神経・下殿動静脈・後大腿皮神経・陰部神経・内陰部動静脈も通る。坐骨神経はここから殿部に出て大腿後面を下行し、膝窩で総腓骨神経と脛骨神経に分岐する人体最大の末梢神経。
✗ 3. 誤り
閉鎖孔
閉鎖孔は寛骨にある最大の骨孔だが、ほぼ全体が閉鎖膜で覆われており、その上部の閉鎖管のみを「閉鎖神経」と閉鎖動静脈が通過する。坐骨神経ではなく腰神経叢由来の閉鎖神経が通る孔であり、両者を厳密に区別する必要がある。
✗ 4. 誤り
筋裂孔
筋裂孔は鼠径靱帯下方の外側部で、腸腰筋と大腿神経・外側大腿皮神経が通過して骨盤内から大腿前面に出る経路。坐骨神経は鼠径靱帯ではなく、後方の大坐骨孔(梨状筋下孔)から殿部に出るため、筋裂孔は通らない。
ポイント
  • 坐骨神経(L4-S3、仙骨神経叢由来)は梨状筋下孔から殿部に出て、人体最大の末梢神経として大腿後面を下行する。
  • 覚え方のコツ: 「梨状筋=大坐骨孔の中の境界線。上=上殿神経、下=坐骨+下殿+陰部」と上下で分けて整理。
  • 関連知識: 坐骨神経は膝窩で総腓骨神経(外側)と脛骨神経(内側)に分岐。腓骨神経は下腿外側〜足背、脛骨神経は下腿後面〜足底を支配する。坐骨神経自体は大腿屈筋群(ハムストリングス)を支配。
  • よくある間違い: 「坐骨神経は坐骨孔(小坐骨孔)を通る」と名称から類推して誤りやすい。実際は大坐骨孔の梨状筋下部分を通る。
  • 臨床応用: 殿部筋注は上外側1/4を選択するのが原則で、これは梨状筋下孔の坐骨神経損傷を回避するため。梨状筋症候群では同筋の腫脹で坐骨神経が圧迫され、殿部痛と下肢放散痛が出現する。
比較表
大坐骨孔の通過構造 部位 主な通過神経・血管
梨状筋上孔 梨状筋の上 上殿神経・上殿動静脈
梨状筋下孔 梨状筋の下 坐骨神経・下殿神経・後大腿皮神経・陰部神経・下殿/内陰部動静脈
小坐骨孔 内閉鎖筋腱・陰部神経/内陰部動静脈の再進入
閉鎖管 閉鎖孔の上部 閉鎖神経・閉鎖動静脈
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題37|坐骨神経が通る孔はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題37|坐骨神経が通る孔はどれか。
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